野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

旧マッケンジー邸で

静岡へ。「静岡大学アートマネジメント人材育成のためのワークショップ100」のワークショップ。大学で開催するのでなく、どこか写真映えのする場所を探してもらった結果、旧マッケンジー邸で開催することに。お茶の貿易商であったマッケンジー夫妻のお宅。ヴォーリーズの」設計による建築で、国の登録有形文化財

企画は、静岡大学アートマネジメントの先生、井原さん。受講生は20名ほど。「茶」のつく言葉を書いてきてもらう、という宿題があり、「チャイコフスキー」、「チャレンジ」、「チャウチャウ」、「カムチャツカ半島」、「お母ちゃん」、「チャウシェスク」などなどの言葉を言っていくところから、手拍子、足踏み、楽器、独奏、などなどを試みて後、これらを題材に、好きな空間を探してもらい、これを発展させることを4グループに分かれてやっていただく。台所、浴室、裁縫室、階段の踊り場で発表。4つが違ったアプローチになるといいなと思い、曖昧な指示をしたのですが、太鼓、でんでん太鼓、手作り楽器、口琴などのビートのきいたアンサンブル、ケチャ風の声のアンサンブル、ヴァイオリンやギターなどの哀愁漂うメロディー、現代演劇的な演出など、いい感じに違ったスタイルも出る。

海に出かける。散歩しながら演奏。海岸で、海や富士山や船や石ころなどに向かって、各自が捧げる演奏を一斉にする。いい感じに、空間的にも、演奏的にも散らばり、大きな世界と対峙する。石を拾う。帰り道に、高架下に波紋の反射光がきらめく。デジタルのプロジェクション・マッピングのような自然の光景に合わせて、即興演奏。小学校の前で、おじいちゃんと孫娘に出会い、即興演奏で出会う。別のお宅から、ご夫人が登場。会話を交わし、デモ演奏。小学校の子どもも校庭から声をかけて来る。マッケンジー邸に戻る道中にバッタとのセッション。お庭のホマムで、石のアンサンブル。記念撮影。

室内に戻り、次回の12月3日の演奏会に向けての宿題を出し、終了。

その後、12月3日の演奏会で、野村のピアノソロもするので、会場のピアノなどを下見。3台のピアノのうち、一台はマッケンジーさん所蔵のもの。調律は狂っているけれども、味わいとして、これも弾く予定です。

その後、井原さん、静岡大学の作曲家の長谷川さんと、夕食の後、移動し、「かずえつこと 即興のための50のエテュード」no.32「マッケンジー」を作曲して後、就寝。