野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

インドネシアにいるような渋谷

東京に移動。

公園通りクラシックスにて、ライブ。

地歌箏曲家の竹澤悦子さん(悦ちゃん)の紹介の方々。悦ちゃんは、韓国のカヤグムの池先生の素晴らしき演奏をソウルで聴いて、その感動から、十七絃を弾きたいと、糸をゆるめてカヤグム奏法をする。歌の松本泰子さんとは、初共演。
ダンスは、鹿児島から東京に引っ越したばかりのJOUさん、間もなく上海へ移住される渡辺久美子さん、そして、この会の首謀者の武元賀寿子さん。

武元さんのダンスは、本当に美しい。即興でセッションをしながら、見ほれてしまうような瞬間の身体たち。そのお弟子さんでもあり、素晴らしいダンサーの渡辺久美子さんとJOUさんの息もぴったりで、ぼくは出演しながら、ダンスを楽しく見ていたのでした。そして、悦ちゃんの演奏は、自由奔放で力強く、松本さんの歌についていったり支えたりするのも、かけがいのない出会いなのです。

後半には、若手箏曲家の金子さんや、打楽器奏者の若鍋さんなども、客席から引きずり出されて、セッションの輪が広がっていくのでした。

それにしても、武元さんの鍛錬された身体は、不安定なまま安定し、変なポーズだけれども美しく、それは、インドネシアでジャワで出会った踊りの達人たちに通じる何かを感じさせるのでした。そして、武元さんが設定する場も、まるでインドネシア舞踊家たちが瞬時に舞台上での自分の立ち位置を見つけて即興で関係性をつくっていく感じにも通じることがあり。ああ、日本でもこういうことができる人がいるんだ、と驚く一夜でした。