野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

城崎にて2

城崎国際アートセンターに滞在して、来年の作品創作に向けてのリサーチ。朝は、城崎をお散歩。立ち寄った喫茶店のおかみさんによると、息子さんも、お父さんも、だんじりで太鼓を叩いて、それは非常に名誉なことである、とのこと。城崎の祭りと言えば、だんじりだそうです。

歩いていくうちに、城崎文芸館に。開館前(8時半)だったので中には入らず。しかし、外に足湯スペースがあり、テーブルを囲んで話したり読書しながら、足湯ができる良いスペース。足湯を楽しむ。その後、散歩を続けて、温泉寺の参道にある足湯コーナーでも足湯。ほかほか。

アートセンターの吉田さんと、車で、延々と山の中へと30分以上行く。スキー場。さらに、登っていく。絶景。「かんなべ自然学校」を主宰する前田さん。震災後に東京から地元の神鍋に移住。小学生対象の自然体験のキャンプ、山陰海岸ジオパークの案内などをしている。神鍋山というのは、火山によってできた溶岩ドームもあるらしい。岩の豊かな土地。現在、竹と茅葺きで、縄文ハウスのような場所をつくっていて、そこも見に行く。ゲストハウスのようになっているスペースもあり、この茅葺きのための茅を刈っている女性二人をご紹介いただき、「このお二人も、今朝初めてお会いしたのです」とのこと。竹、岩など、自然素材がいっぱい。

吉田さん、前田さんと語り合う昼食の後、豊岡市役所へ。役所の前にある「1925」は、元銀行だった洋風の建物を、カフェとホテルとして活用。ボランティアでお金を集めて、ピアノ(ボストン)を購入。近所に雰囲気のある入口の銭湯もあった。そこを、さっと見学の後、兵庫県立大学が主催しているシリーズ「サイエンスカフェ」に参加。豊岡稽古堂(市役所内)にて。ジオパーク兵庫県立大学との関わりも可能性あり、東京大学地震学の中田先生の講演の後、グループディスカッションに。火山と言えばインドネシアで、インドネシアについて語る中田先生。兵庫県立大学の先生ともお話をしたが、世界ジオパーク会議で、ヒューの「ジオオペラ」を見たなど、話ははずむ。

日没前に、兵庫県立大学のキャンパスと隣接する「コウノトリの郷」を見学。コウノトリの保護/飼育と、環境教育のための展示などある。コウノトリと共生するための農業のあり方などを見直す。なるほど、火山と共生するための暮らし方。コウノトリと共生するための暮らし方。自然を単に知識として学ぶのではなく、自然とどのように共存していくべきか、そのための人間の暮らし方を学ぶ場をどう展開していくのか、というのが、ここで語られていることだ。

日没も近く、玄武洞公園に行く。柱状節理と呼ばれる溶岩が柱状に固まった石場が壮観。山陰海岸ジオパークの目玉の一つだ。鈴木昭男さんと宮北裕子さんが、ここで野外パフォーマンスをしたとのこと。ぼくも、鍵ハモで即興演奏をしてみた。

豊岡駅前に着くが、電車の時間まで少し時間があるので、豊岡市民プラザを見学。駅前のショッピングセンターの7階。NPO運営で、ホールや子育て支援の場。ローカルFMのラジオ局など。住民参加型のプログラムを多数行う。

色々な可能性を感じつつ、電車に乗って京都に戻る。来年の城崎滞在制作が楽しみになった。