野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

快晴の「釜ヶ崎オ!ペラ3」 

本日は、大阪での「釜ヶ崎オ!ペラ3」の本番でした。釜ヶ崎芸術大学受講者たち、お客さんたちとの時間が、ロバート・ギルドン(オペラ歌手)、中西ちさと(振付家)と野村誠、そして上田假奈代(詩人)の進行で進んでいきます。

幸いにも天候に恵まれ、暑いくらいでした。朝10時からのワークショップ。午前中の練り歩きオ!ペラ。そして、モーツァルトの「魔笛」やワーグナーの「指輪」からの抜粋や、オリジナル曲、即興ダンスに、詩の朗読などを、できるだけ観客参加型で進行。

2年前は、ほとんど交わることのなかったロブさん、ちさとさんとも、一緒に時間を共有しながらパフォーマンスを作っていけたことを、幸せに思います。

「ホームレス」と言ったり、「ホーム」と言ったりします。21世紀における「家」とか「ホーム」の概念も変わってくるのだと思います。老人ホームのような多くの人が同居するホームもあれば、グループホームのようなホームもあり、各自が独居していても、集うホームもある。ホームレスなのか、ホームがあるのか。ゲストハウスとカフェと庭「ココルーム」は、また新しい形のホームを模索しているのかもしれません。「恃む(=たのむ)」という言葉を、ココルームで谷川俊太郎さんの詩を通して知りました。「恃まず恃む」という新たなホームを探す旅。「釜ヶ崎オ!ペラ」は、3回を持って終了しましたが、ポスト「釜ヶ崎オ!ペラ」をこれから、どのように始めていくのかを、またじっくり考えたいものです。

こうした話をロブにすると、現在の世界情勢は、ナショナリズムや、外国人や他民族を排除していこうとする動きも、多く、そこで語られるホーム(=自国)という概念と、今、ぼくらが言っているホームという概念も全然違って、このテーマの重要性について再確認する。