野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

光り輝くもの

歯医者の後、吉森信作曲の「光り輝くもの」の練習。午後も、2台ピアノの作品を、練習。いよいよ、明日、両国門天ホールで、本番です。

吉森信くんと出会ったのは、1996年ですから、19年前。非常にセンスの良いミュージシャンで、鍵盤ハーモニカ•オーケストラ「Pーブロッ」のリハーサルで、初対面の時に、ぼくの隣で吹いている音に、一発で惚れました。それから、2010年まで、ずっと「Pーブロッ」として、共演し続けてきまして、2011年に、インドネシアに遊びに来てくれたときにも、共演しましたが、それ以来、4年間、吉森くんと一緒に演奏することがなかったので、4年ぶりです。

2007年の6月に、吉森くんの発案で、「野村IDを惑わせろ」というライブをやりました。ぼくはプロデューサーをせずに、演奏に徹して、「Pーブロッ」のメンバーが、野村に無茶ぶりをしていく、という企画。その当時、ぼくは、テレビ番組の監修をしたり、フェスティバルのディレクター、アートプロジェクトのプロデュース、住民参加音楽劇の総合演出などをやっていて、多忙にしていました。そんな野村を見て、きっと、吉森くんなりに、一人のミュージシャンとしての野村誠を大切にしろと、暗にメッセージをもらった、と感謝しています。そして、その後に、吉森くんにデュオやろうと提案したところ、吉森くんから2台ピアノをやろうと提案されました。吉森くんのような優れたピアニストと共演するには、せめて家にピアノを持つべきだろうと思い、ピアノを購入したのが2007年の暮れ。それから、自分なりのピアノを追求し、2年前にはピアノソロアルバム「ノムラノピアノ」(とんつーレコード)も作りました。あれから8年、ついに彼との2台ピアノが実現します。

吉森くんのピアノが素晴らしいことは、今更言うまでもないですが、彼の音楽への思い、理想の高さ、この年になっても、まだまだ自分の音楽を探し、悩み、切磋琢磨しているところ、本当に、良い刺激をくれる友人です。テレビがないので、吉森アニメ作品は、一度も見たことがないのですが、ピアノソロアルバムは、本当に素晴らしい。

ああ、いよいよ明日。明日で終わってしまうのが、非常に残念ですが、でも、明日。彼との時間を、目一杯楽しんでこようと思います。