野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

「ことばのはじまり」ゲネプロ

朝、畑に行って来ました。1週間ぶり。オクラを1個だけ収穫。ピーマン2個、伏見トウガラシ3個、モロヘイヤとレモングラスたくさん収穫。夏の日照量が不足です。マクワウリの実ができてきていました。

さて、いよいよ明日が初日のディディエ・ガラス「ことばのはじまり」。本日は、ゲネプロでした。(ゲネプロって、ドイツ語ですね。リハーサルがプローベで、ゲネラルプローベの略。英語だと、ドレスリハーサルと言って、衣装をつけてやる本番直前のリハーサルを言います。フランス語では、何て言うのだろう?ディディエに聞かねば。)

ゲネプロは明日の開演時刻と同じ19:30〜ですが、その前に15時から通し稽古をしました。これも衣装を着て、照明もありで、手を抜かずに本気でやっていましたので、限りなくゲネプロに近い通し稽古。ということで、本日はゲネプロを2回やったような感じです。

本日は、鍵盤ハーモニカ(アルト)を調律が合っているものに変えました。ところが、結局、アルトの鍵盤ハーモニカが登場するシーンでは、ジャワ・ガムランのグンデルという楽器と一緒に演奏するので、西洋音階の調律が合っている方が、グンデルとの親和性が悪く、本番は西洋音階では調律が狂っている方の楽器(インドネシアの音階により合う方)を使うことになりました。面白いものです。もちろん、単独で使う鍵盤ハーモニカ(ソプラノ)は調律が良いものを使う予定です。

本日のゲネプロに1歳の子どもを連れて、照明家さんが見学に来られました。1歳児がこの舞台をどう見るのだろうと、心配でもありました。ところが、集中して見てくれて、途中では、舞台上の役者の動きを真似しているではないですか。そして、ここは悲しいシーンだなぁという場面で唯一、泣き声をあげました。完全に舞台とリンクしていて、びっくりしました。1歳児、あなどるべからずです。明日からの本番では、どれくらいの大人が来て、どれくらい子どもが見に来るでしょうか?そして、子ども達は(そして大人達も)どんな反応をするのでしょうか?そして、その反応に役者/ダンサー達は、どう反応して演技やダンスが変わっていくのでしょうか?舞台は生ものなので、非常に楽しみなのです。

「当日パンフレットに載せる予定だった西田幾多郎の言葉と、アラン・バディウの言葉を、パンフに載せないことにした」とディディエ。この作品は、西田哲学やバディウの哲学を参照しながら構想されましたし、東日本大震災原発事故について考えた上で構想された作品ですが、最終的にできあがった作品の中では、震災も、原発も、西田も、バディウも、出てきません。こうしたことを考えた作業は「ことばのはじまり」の血肉になりましたが、今となっては、形を変えて作品の中に潜んでいます。当初の構想から、どんどん作品が一人歩きをして変わっていった先に、今の「ことばのはじまり」があり、創作に関わったものとしては、自分達の関わりを経て、作品が別の地平に辿り着いたことを嬉しく思います。

本番の上演時間は55分です。前売チケット完売ではなく、当日券も多数出るようです。アトリエ劇研にて、お待ちしております。

ディディエ・ガラス ことばのはじまり

9月4日 19:30-

9月5日 19:30-

9月6日 14:00-/19:30-

9月7日 14:00-

9月8日 14:00-

前売:2,500円

当日:2,800円

学生:1,800円(前売/当日とも)

こども(中学生以下):1,000円(前売/当日とも)

会場:アトリエ劇研(左京区下鴨塚本町1)

お問い合わせ:アトリエ劇研:info@gekken.net (075−791−1966)

http://gekken.net/kotobanohajimari/

作・演出:ディディエ・ガラス

出演:森川弘和、坂口修一、小島功義、松尾恵美、きたまり

音楽:野村誠、やぶくみこ

演出アシスタント:中筋朋

照明:吉本有輝子

舞台監督:浜村修司

宣伝美術:永尾美久

制作:杉山準

みなさん、お待ちいたしております。是非、劇場に足をお運び下さい。