野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

廃炉にした原発の活用

脱原発を訴えて、原発に反対することは、この1年半、議論に上がり続けております。そこで、まずは、原発は全部廃炉になって、脱原発が完了した社会が来るだろうと想定します。順当に考えれば、遅かれ早かれ、そうなるでしょう。で、そうなると、原子力発電所という施設は、全部、価値のないものになります。過去の人達が作った失敗作だということになります。

で、そうなった時にです。かつての原子力発電所というのは、ペットボトルと同様に、ゴミ以外の何物でもなくなり、誰もがそこに価値を置かなくなります。そこで生まれてくるのが、次の問いです。この存在価値がない原子力発電所という施設を、電気を生み出すこととは別の使い方で活用する方法はないのか?ペットボトルが楽器になったように、原子力発電所は何かになれないだろうか?

取手アートプロジェクト2006で、終末処理場という名前のかつて下水処理場であった場所を活用して、展覧会を開催しました。かつての原子力発電所は、それ以上に終末処理場という名前に相応しいわけですが、安全性を確保しながら、廃炉後の原発の活用について、そろそろ議論を始めてしまってもいいのではないでしょうか?それくらい先のことまで考えておかないと、原発が再開しかねませんから。