野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

世界ダンスの日に向けてのリハーサル

 突然、今日から舞踊のリハーサルが始まりました。今日はスボウォさんが都合が悪かったので、3人の舞踊家(パーマルディー、ラーマン、イワン)と3人の音楽家(ハリヤント、やぶ、野村)でリハーサル。ジャワ人の練習/創作のテンポは、独特です。いきなり、農民の使う三角傘の帽子を山ほど持ってきて、ラーマンさん、イワンさんが、頭、腕、お腹など、色んなところに、帽子をくくりつけ、遊び始める。パーマルディーさんは、袖が2mくらいある衣装を持ってきて、それを着て、腕をぶるぶる振り回して遊ぶ。準備運動もなければ、ストレッチとかもなく、まぁ、遊んでいるうちに、なんか、そのうち、一言、二言、約束事を交わしたら、通し稽古みたいになって、でも、即興は多く、ヘトヘトになっているのに、また、適当にアイディアを言い合って、大して休まず、また通す。結構、ハードにやるのかなぁ、と思ったら、急に椅子に座って、お茶を飲んで話し込んで、もう今日はこれで終わりなのかなと思うくらい、リラックスして延々と話している。そして、ハリヤントさんが、「ぼく帰るね」と言ったら、「ダメ、今から練習するから」と言って、突然、通しが始まって、じゃあ、また明日と言って、皆さん帰って行きました。
 今日はハリヤントさんの演奏を満喫しました。ジャワ・ガムランの楽器が一通りできる基礎がある上で、カリマンタンの音楽を研究し、日本の神楽なども勉強した彼は、非常に多彩です。今日は二胡を持ってきましたが、どんな楽器を演奏しても自分の音を出せるのは大したものです。そして、結構、天性で天然な面白い演奏をしてくれるのです。