野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ホエールトーン・オペラとは何か?

ニューカッスルに来て、小学生とのワークショップ二日目です。
日本から、尾引浩志さんも来て、ますます、充実の二日目です。

しかし、「ホエールトーン・オペラ」とは、一体、何なのでしょうか?

どうして、このようなことを言うか、と言えば、「ホエールトーン・オペラ」とは、今から7年前、ヒュー・ナンキヴェルと野村誠で新しいプロジェクトを始めようと思った時に、まず、タイトルから決めよう、ということになった。その時、ヒューの提案で、各自が一単語を出すことになり、ぼくが、「whaletone」、ヒューが「opera」という一語を提示したところで、名前がついた。

つまり、「ホエールトーン・オペラ」という名前だけが、先について、それが、何か分からないところから始まったのです。そして、二人で「ホエールトーン・オペラ」のワークショップやコンサートを重ねることで、「ホエールトーン・オペラ」とは何かを、少しずつ形にしてきたのですが、では、一言で何か、と言える言葉を、きちんと見つけないといけません。

また、「ホエールトーン・オペラ」というタイトルを聞いても、どんな作品なのかを想像することは、難しい。タイトルが、全てを言い当てているわけではないので、それを言い当てる言葉を見つける必要があります。

というのは、今回、イギリスに来て、この2週間を過ごし、「ホエールトーン・オペラ」に、大きな可能性を感じたからです。これは、やはり、すごい作品です。しかし、未完成です。まだ、謎な部分が多い。クリアじゃない。この可能性や魅力について気づいている人は、まだ、あまりいない。

だから、この作品について、もう少し、深く掘り下げて考えてみる必要がある。そのために、今、ぼくは、イギリスに来て、日々、この作品に向き合っているのだと思います。

いよいよ明日が第1幕の本番なのですが、今日は、そのことについて、ヒューとは英語でじっくり話したし、尾引さんとは日本語でじっくり話しました。二つの言語で、同じ話題について、ゆっくり考えながら話すことができました。明日、また、こうして考えたことをもとに、身体を動かし、音を奏でてみようと思います。自分なりに整理して、徐々に言葉にしていけるようにしたいと思います。