野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

「6つの新しいバガテル」より「月の光」@引野小学校

松下眞一のタイトルによる野村誠の新作「6つの新しいバガテル」。9月23日に大井浩明氏により、世界初演

さて、今日/明日の二日間は、北九州市芸術文化振興財団の企画で、小学校に行って、鍵盤ハーモニカで作曲をするワークショップをする。せっかくなので、ワークショップだけで終わるのではもったいないので、ワークショップの成果をもとに、6つの新しいバガテルの1曲を作ることに。

ということで、小学生に6つのタイトルを示す。

1 第三プレリュード - フーリエ変換(Prelude 3 - La transformee de Fourier)
2 アンダルシアに(A l’andalucia)
3 月の光(Clair de lune)
シャンソン(Une chanson populaire)
5 語れや、君、そも若き折、何をかなせし(Dis, qu’as-tu fait, toi que voila de ta jeunesse?)
6 主よ、主よ、そは現し世なり(O Dieu, o Dieu, c’est la vie.)。

投票してもらったところ、圧倒的多数で「月の光」が選ばれる。よって、今日と明日のワークショップの素材は、「月の光」という作品に生まれ変わる予定です。

6年1組と作った曲は、ちょっとブルーノートっぽいスケールに(C,D#,E,F#,G,A)なりました。6年2組の方は、(C#,E,F,G#,A#,B)というスケールを選び、自分たちで演奏するのに苦労していました。もちろん、ぼくも自分で作曲したピアノ曲を自分で演奏するのに苦労しているので、そこは同じです。作曲できるからと言って、演奏できるわけではありません。

この二つの音階は、Eの音以外、全部違う音で、見事なほどに重なりませんでした。ところが、よく見比べると、1組の音階を半音あげると、(C#,E,F,G,G#,A#)となって、これを2組の音階と比べると、なんと、5音同じで、GがBになっただけなのです。不思議な統一感ですね。