野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ピアノのワークショップ

ワークショップも20名ほどの参加がありました。ワークショップで楽器は何を用意しましょうか?と手塚さんから何度も質問されていたのですが、なぜだか何も用意したくなかったので、ピアノのワークショップにしました。

そもそも、ぼくは「作曲家、鍵盤ハーモニカ奏者、ピアニスト」です。作曲のワークショップ、鍵盤ハーモニカのワークショップをしたことはありますが、ピアノのワークショップはしたことがない。それは、不思議なことだが、ピアノは一人で弾くものという先入観があった。

そこで、最初に、最大で何人でピアノが弾けるか、試してみたら、なんと18人が体を寄せ合ったり絡め合ったりしながら、全員で演奏できたのです。そこで、この状態で、水戸芸術館のワークショップで生まれた曲「げんしじん」を演奏してみました。この「げんしじん」は、ホエールトーン・オペラの「Black & White」と同じような曲で、全員で白鍵をやったり、黒鍵をやったりします。あれだけ全音域の音がなるのが面白い。そこに、では「白鍵で、超スロー、超弱い音」という指示を出したら、これだけで本当にいい音楽になるのです。

ハーモニクスの演奏を5人でやる(一人だけ鍵盤で発音。ほかの4人は、任意の鍵盤を音を出さずに、押し下げて、弦からダンパーを外す)。
様々な振付でピアノを演奏する。
指の形を決めて、それで鍵盤を弾くことで、ある和音を演奏する。

などなど。やりました。

後ろの人に体を押されたら、その感じで動いてピアノを弾くという2人組の演奏を2つ同時にやるのが、これまた面白かった。えずこホールのKeyboard Choreography Collectionに向けても、一歩前進。ピアノについて、いっぱい発見がありました。参加の皆さん、どうもありがとうございました。