野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

子どもの映像からループを作る

にしすがも創造舍の「芸術家と子どもたち」の事務所に行く。先日の烏山小学校での子どもたちの即興演奏の映像を編集するため。慶応大学の三田の家のスタッフで年に200本近く映画を見る上田くんが映像編集スタッフとして、オペレーションをしてくれる。

45分の授業を3セッションしたわけですが、そこから厳選した場面を2人の先生に映像に収めてもらいました。45分の授業から、5〜10分程度の映像を先生が撮影していました。この映像の中から、さらに、ぼくが音楽的に面白いと思うところを、自分のセンスで厳選していきます。

で、選んでいくのですが、あまりにも複雑だったり、独特だったり、混沌だったりするので、ぼくが面白いと思ったところをそのまま切り取っても伝わりにくいと思ったので、全部、短いシークェンス(5秒くらい)をループして(5回ほど繰り返す)みました。すると、ぼくが思っていた以上に、面白いし、フレーズが立体的に聞こえてきました。これくらい繰り返すと、やっと、子どもたちの演奏の良さが、本当に見えてきた感じ。いやぁ〜〜、本当にこれ、面白いです。

各クラス、4〜5分の映像になりました。素材を5回繰り返しているので、選ばれた映像は、約1分です。45分授業の中から、1分が選び出されました。次回(12月4日)のワークショップでは、これらの映像を子どもたちに見せながら、さらに、厳選していきます。最終的には、45分の授業の中にある、ほんのわずかな瞬間が曲に残るのでしょう。

夕方5時から始まった編集作業は、結局、終電まで続きました。上田くん、おつかれさま〜。

それにしても面白かった。やっぱり、やったことがないことにチャレンジしていると、面白いです。ぼくの作曲の方法が、さらに一歩踏み込めた感じがします。4日が楽しみです。