野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鍵ハモトリオいろいろ

11月16日に、Winds Cafeで、鍵ハモトリオのライブをしようと計画している。最近、3分の3重奏の曲を、何人もの作曲家に委嘱してきた。どうして3分かというと、あんまり長い曲だと、曲を仕上げるのが大変だし、短い曲だと、同じ練習時間でも丁寧に練習したり、演奏を掘り下げられるかな、と思って。また、どうして3重奏かというと、あんまり編成が大きいと、練習日程を決めるのにスケジュール調整が大変だから。という理由です。それと、P−ブロッでやってることとは、違ったことやりたいし。

ということで、先日の平石博一コンサートでも、助っ人として活躍してくれた赤羽美希さん、正木恵子さん、渡辺達弘さんの3人と、ぼくでリハーサル。

まずは、届いたばかりの寺内大輔さんの新曲「林道」をやってみました。これは、3人が違ったテンポで演奏するので、メトロノームを使ってやるバージョン、メトロノームを使わないで各自が独立のテンポでやるバージョン、各自が他のパートとの関係を意識しながら、少しメトロノームも参考にしてやるバージョンなど、いろいろやってみました。練習を録音すればよかった。これ、客観的にどう聞こえているのか、分かるようで分からないから・・・。

それから、1997年にインドネシアの作曲家Soe Tjen MarchingがPーブロッのために作曲してくれた「The Bear's Company」。これは3分ではありませんが、傑作。これは、今までは今ひとつな演奏しかできなかったのですが、その理由の一つに、作曲家の自筆譜が見にくいことがありました。あれにかなり足を引っ張られる。今回、赤羽さんに楽譜を浄書してもらって、かなり演奏しやすくなった。これは、多分、初めてちゃんと演奏できると思う。作曲者に音源を送ってあげたい。

近藤浩平さんの「ふがいない戦士達」。これが変拍子で変な曲で、かなり面白い。変拍子がうまくできずに失敗するたびに、自分がふがいない気分になる。

田中吉史さんの「うろおぼえの旋律とコラール」。これも名作です。これは、昨年の6月に初演しましたが、あれを上回る演奏を是非しましょう。

鶴見幸代さんの「おほほ」。この曲は本当にかわいい曲で、この曲を演奏すると、ほっとします。

そして、赤羽美希さんも「IWKKN」というトリオを書いていて、これは、3人でやってくれたのですが、変拍子のミニマルミュージックなので、アンサンブル難しそうでした。ぼくも演奏していたいなぁ。

それから、坂野嘉彦さんの4重奏で「わたしとあなたの体操詩集」もやってみました。これを京都府胡麻駅というところで初演した時(5年くらい前かなぁ)、なんと正木さんは聞きにきてくれていたそうです。そう言えば、そんな気もします。これは、テンション高い曲なので、緊張感を持続させて演奏しなくてはいけません。

ということですが、なかなかアンサンブルの練習も楽しいです。この3人には、8月、9月に水戸芸術館でやる小学生を中心とした鍵ハモのワークショップに、アシスタントとして来てもらう予定にしています。だから、これらの曲は、ワークショップでも小学生に聞かせてみたり、P−ブロッのメンバーにも聞かせてみたり、水戸に滞在中にも練習したり、そうやってあたためていって、11月に本番(下北沢)という流れを目論み中です。できれば、東京以外でもやりたいですね。

〆切を指定せずに作曲をお願いしている作曲家がほかにもいて(Wあつしさん、有馬純寿さん、樅山智子さん、安野太郎さん、鈴木悦久さん、伊左治直さん、薮公美子さん、Anant Narkongさん、・・・・)、そのうち何人かの曲は11月に間に合うような気がします。間に合わなくても、いずれ初演しますが・・・。楽しみだー。