野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鶴見幸代さん到着

朝、白石蔵王駅に作曲家の鶴見幸代さんを迎えに行きました。昨日、鶴見さんの編曲してくれた児童合唱版の「タヌキとキツネ」(野村誠の小学生時代の曲)を聴いて、もう涙のぼくは、もう鶴見さんに会っただけで、泣きたくなりました。感謝、感謝、感謝です。本当に、ありがとうです。

それから、白石女子高校吹奏楽部の練習に行きました。鶴見幸代編曲の「幻覚協奏曲」のリハーサル。今日は2時間あります。鶴見さんにみっちりレッスンしてもらいます。で、ぼくが指揮をするわけです。普通は、ぼくが鶴見さんの立場で、演奏を聴かせてもらって、ここはもっとこうしてください、と言うわけですが、今日は、逆の立場。作曲家に初めて演奏を聴いてもらう時って、こんなに緊張するもんなのだ、というくらい緊張しました。なにしろ相手は全部の音符を書いた人なので、こちらが全部の音符に神経を行き渡らせて演奏していなかったら、バレちゃうわけです。最初に通しを鶴見さんに聴いてもらった時は、生きた心地がしなかった。指揮をしながら、「あ、しまった」、「あ、しまった」と、思うことの連続。後で、録音を聴いてみたら、自分が思っていたよりは断然いい演奏でしたが、その時は、相当ガックリでした。

それから鶴見さんのレッスンを受けて、かなり良くなりました。また、倉品さんにも俳優の観点からかなり参考になるアドバイスをいただき、レベルアップ。最後には、音楽ワークショップメンバーの即興との共演バージョンによる「幻覚協奏曲」を演奏しました。2月には、もっと良くなりますよ。2月17・18日の初演が楽しみです。

ちなみに、鶴見さん曰く、「幻覚協奏曲」は昨年やった仕事で、最も大変だった仕事だとのことです。でも、大変だったけど、楽しかったと言ってくれました。ちなみに、編曲を鶴見さんと坂野さんにやってもらえて、大変助かったし良い作品の数々で嬉しいのですが、自分も譜面を書きたかったので、悔しい気持ちも半分。ぼくも「幻覚協奏曲」書いてみたかったなぁ。あの「しょうぎ作曲」の野村誠版とか、「テキストのたね」の野村誠版とか、「たけやぶ」を使った野村誠版合唱曲とか、「ママとパアテルル」の野村誠版のアレンジとか、せめて1、2曲、鶴見さんや坂野さんの曲と並列に並べてみたかった。う〜〜む、悔しい、うらやましい。でも、とにかく鶴見、坂野作品、素晴らしいです。