野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

取手3日目

取手アートプロジェクトは、取手市、市民、東京芸大、の3者が共同で行うアートプロジェクトで、説明を聞くと、なんだかややこしくって、よく分かりませんでしたが、過去にどんなことをやったのか、何が問題なのかが、少し見えてきました。

要するに、シンプルなコンセプトがないのが、問題です。「アートプロジェクト」という名前がついているわけで、展覧会とかコンサートとか、そうしたフォーマットにとらわれずに、アートプロジェクトをやっていけばいい。取手市で、どんどんアートプロジェクトを展開していけばいいのです。そして、形になりにくいアートプロジェクトをドキュメントする方法として、カタログを作ったり、映像記録したり、楽譜やCDにしたり、報告会を開催したり、ま、とにかく、やりっぱなしじゃない方がいいでしょう。

そう考えたら、ぼくは、いっぱいプロジェクトをやりたい、と思いました。50個くらいやっちゃえばいいという気分。難しく考えずに、まあ、いっぱいやろうかな、と思った。

・鍵盤ハーモニカの大アンサンブル
・ペットのためのコンサートを街のあちこちで開催してもいい
・作曲ワークショップツアー
しょうぎ作曲のワークショップ
・ペットボトルのアンサンブル
東京芸大の学生+市民音楽家による共演
・P-ブロッのコンサート
・絵を音にするワークショップ
野村誠と市民によるトークセッション
・音楽の教科書をつくる
野村誠作曲賞開催
野村誠作曲作品によるコンサート
・火の音楽会
・温泉でのお湯の音楽会
・音の作文コンクール
・自転車音楽ツアー
・音絵本づくり

ちょっと考えよう、っと。

で、東京芸大の音楽環境創造科の熊倉純子さんがゼミの学生を伴って参加していて、アートマネジメントの実地実習を兼ねていますが、芸大生以外にも、すごく色んなスタッフがいます。

市民スタッフと主婦を兼任されている柴田さん、えつさんは、その両方をフル稼働でされていて、そんな中に、色々な気配りがありました。ホスピタリティというのでしょうか、もてなしの気持ちというのでしょうか、それは、うれしいものです。

東京芸大に4年勤務しても、熊倉さんは少女のような笑顔をしています。なんだか厄介な教授会とかで、うんざりすることもあるだろうに、それでも、熊倉さんの笑顔が変わらないのは、いいことです。こうした気配りの場とか、アートの力とか、彼女が輝いてい続けられる装置が、取手にはちゃんとあるんだな、と思いました。

第9が大好きな市民スタッフの男性は、とにかく、バカ騒ぎ、ドンチャン騒ぎをしたい、と言いました。ピアノ100台集めるとか・・・。