野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

アートデリバリー講座最終日

アートデリバリー講座の最終日。プロジェクト全体を振り返り、いろいろ話し合う会。
で、2日目のデイサービスでのセッション、3日目の特養でのセッションのビデオを見た。とにかく、この3日目のセッションがスゴクって、あらためて客観視してみてびっくりした。「見たことない形式、ジャンルですよね。演奏もあって、雑談もあって、、、リクエストがあって、でも、リクエストに全然応えていないのに、みんな満足している」とのコメントあり。リクエストに全然応えていないけど、みんな満足、というところが面白かった。まさにそうだ。
この3日目のセッション、本当に、ぼくがギリギリのところで演奏している。だから、自分の限界のギリギリから生まれてくる表現が出てくるのだと思う。野村誠の今年のベストパフォーマンス(の1つ)だと思った。ここまでギリギリのところでやれて、自分の可能性が開けていくようで、やってよかった。「ふるさと」とか「荒城の月」をリクエストされて、それを普通に伴奏するのでなく、ここにしか存在しない今この場で生まれた表現として成立させること、自分の表現にしてしまうことは、本当に難しかったが、やりがいがあった。(職員さんによると)昨日のことをお年寄りに尋ねると、「楽しかった」というコメントに加えて、「あの青年、変だけど、いい青年だったね。」というようなコメントがあった、とのこと。嬉しかった。
スタッフの皆さん、どうもありがとうございました。本当に、まじで勉強になりました。