野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ヒューが来た


イギリスから、Hugh Nankivellがやって来た。ヒューは、10年来の友人で、鍵ハモ、ピアノ、ヴィオラ、ギター、三味線、などなど、様々な楽器を演奏し、ハダスフィールド大学で即興演奏を教えていて、歌をたくさん作っていて、コミュニティや学校で、様々な歌作りを実践していて、コミュニティミュージックの世界でクリエイティブな活動に定評があり、常に色んな音楽プロジェクトをしていて、3人の子どもの父親で、人を愛する優しい人だ。今から10年前、94年の夏、彼に出会った頃は、彼は「共同作曲」について博士論文を書いていた。

 ヒューから、お土産。まず、もうすぐ出版されるコミュニティミュージックの本。モアカムのコミュニティミュージックのセンターをやってるピートが編集した本で、ヒューも執筆者の一人。さらっと、中を見る。

第1章 ワークショップをどう始める?(ピートが執筆、環境作りなどのヒント集)
第2章 ドラミング(太鼓のワークショップのアイディア集)
第3章 英国における即興演奏とコミュニティミュージックの発展(社会学者による事例研究)
第4章 共同作曲(ヒューが書いていて、ぼくの「しょうぎ作曲」にも触れている)
第5章 バンド活動(ここは、マーティンが書いている。彼は、ぼくの「しょうぎ作曲」のワークショップに参加した人で、ぼくと即興演奏の探求をするために日本に来る助成金に現在申請中)
第6章 声を出すこと(発声についての章)
第7章 歌作り(ここも、ピートが書いている。歌作りのアイディア集)
第8章 コンピュータや電子楽器を使った音楽創作(サウンドインスタレーションmidi、障害者のための音響ソフトなど)

こんな感じ。ピートも頑張ってるなぁ。

それから、次のお土産は、シャリーノのCDだった。これは、退屈な曲が多かったけど、1,2曲、すごく面白い自由奔放な音があった。
「シャリーノは、最近サックス200本の曲作ったらしいよ。でも、全員がピアニッシモで演奏するらしいんだ。」
「それ、面白そうだね。」

その後は、時差ぼけを治す睡眠、喋ったり、演奏したり・・・。ソプラノ鍵ハモを見つけてヒューが吹く。それが、随分いい音を出していた。やるなぁ。色んな雑談しているうちに、ピートもピアノを燃やしたことがある、と聞いた。
「彼は、海岸でやったんだ。ノムラは山でやったんだね。弦が切れるときに、すごい音がするらしいよ。」

いよいよ、ヒューとの2週間が始まった。