野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

将棋名人戦第6局

本日は将棋名人戦の第6局の二日目でした。森内名人の3勝2敗でむかえた第6局で、ここで森内が勝てば、森内が名人5期で第18世の永世名人になってしまうという歴史的な対局でした。

本日18時からの毎日新聞での大盤解説会を聞きに行きました。かなりの接線のようでしたが、郷田9段の1九龍という手ぬるい手を境に、森内名人がスパートをかけ、王手龍飛車取りという大技が決まり、名人必勝の体勢になり、その後は郷田玉は逃げ回るが、飛車と馬に追い詰められて受けなし。郷田には王手をかけ続けて、森内玉を詰ませるしかないが、森内玉は逃げる場所が広大にあって、郷田の持ち駒も少なく、名人の勝ちはゆるがない、という状態でした。

22時をまわったころに、あと数手で郷田が投了するでしょうと解説があったところで、ぼくの前に座っていた小学生の男の子とお母さんが帰って行きました。さすがに子どもは寝る時間なのでしょうが、ギリギリ最後の結末まで見たいと、粘っていたのでしょう。

そして、この小学生が帰った後、そこから15手、郷田九段は王手で森内名人の玉を追い続け、ついには自らの玉を脅かしていた森内名人の飛車と森内玉の両取りに金を打ち、ついには森内名人が投了したのです。

名人が大きく間違えたわけではないのですが、郷田九段の驚異的なあきらめない精神と、きわどく細い攻めが奇跡的に決まって、大逆転勝利になりました。郷田九段の状況は、例えて言えば、末期がんであらゆる治療が手遅れと診断されて、あきらめるしかない状況で、それでもただ一人、最後まであきらめずに、何か治療法はないかと考え続けた結果、最後の最後にとった治療が奇跡的に効果があって、完治してしまったような出来事だったのです。

この驚きは、渡辺竜王のブログにも書いてあります。
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/d/20070615

小学生親子は、明日の朝刊を見て、驚くことでしょう。

最後の最後まで、本当にあきらめないことのすごさを思い知りました。大井浩明くんが本番直前のギリギリまでピアノを弾いて練習し続けている姿を思い出した。向井山朋子さんが、スパイラルで「Amsterdam×Tokyo」をやった時、本番直前に練習しながら「この本番直前の30分弾くのでも、ちょっと上達するのよね」と言っていたことも思い出した。

とにかく、心動かされました。

作詞の途中

相変わらず、作詞の途中です。6月17日のプログラムは、次のような感じです。

前半

1 しばてつ作曲「5chサラウンドサウンド ハイドン変奏曲」
2 吉森信作曲「それぞれの植木鉢」
3 鈴木潤作曲「本日のさんぽ」
4 林加奈作曲「犬が行く」

以上は、客席を5方向に取り囲んで5chサラウンドサウンドでお届けする予定

5 平石博一作曲「この風は新たな光を放つだろう」

後半

順不同(くじびきによる)

1 しばてつ作曲のピアノ曲「ノイ・ケルン」を野村誠がスーツに蝶ネクタイで演奏
2 吉森信作曲の「Take me to the place you love」を野村誠が鍵盤ハーモニカ、吉森信のピアノで
3 鈴木潤作詞・作曲の「ぼくたちのうた」を野村誠ボーカル、P−ブロッ伴奏で、野村誠作詞・作曲の「40代になったら一人称はわし」を野村誠ボーカル、鈴木潤ピアノで
4 林加奈作曲の「野村のしごと」で、p−ブロッは鍵盤ハーモニカを演奏、野村誠はその場で作曲する芝居と、落語や相撲の芝居など

の4企画をやって、

5 野村誠作曲「あたまがトンビ」

をやっておしまい。

アンコールで何をやるかは、未定。

皆さん、前売り予約まだの人、慌てて門仲天井ホールへご連絡ください。
では、17日にお会いしましょう。