野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

太田省吾の棲家/門限ズとボーイズ/数学する身体

久々の自宅。遠征中にはできない料理、洗濯、畑仕事などを楽しんだり、ピアノを弾いたりCDを聴いたりできる。

 

太田省吾の戯曲《棲家》を音読しながら、バッハの《アリオーソ》が出てくる場面で弾くというのをやってみる。バッハが登場する5箇所に、何か共通するものは感じない。敢えて同じ曲を5回弾いて、感じ方が違うかどうかも、まだわからない。3月に京都芸術センターで行う公演に向けて、準備中。なんとなく太田省吾の戯曲をきたまりがダンス化して、そのダンスに音楽をつけると思っていたが、太田省吾の戯曲を自分なりの音楽に変換する作業をしたくなってきた。

 

夜は、門限ズとボーイズの3月の公演に向けてのオンラインリハーサル。今年もあと1週間ほどになった。3月は随分先だと思っていたが、気がつくと3ヶ月ない。具体的にシーンごとのリハーサルをやって年内最後のリハーサルとなった。

 

森田真生著『数学する身体』(新潮文庫)を読了。数学と身体性についての面白い本で、作曲と身体性について考える上でも触発される本だった。高校生の頃、河合良一郎先生が『大学への数学』という雑誌に連載されていた原稿で、岡潔先生のエピソードが何度と語られていて、大学に入ったら岡潔のような先生に会えると勘違いしていた。森田さんの著書の中で、岡潔について書かれていることは、とても新鮮で改めて35年前に読んだ雑誌の連載を読み返したく思った。