野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ダンスチームとのワークショップ

香港は、最近また暑さが全快で、クーラーが必要な感じ。今朝は、朝から三菱UFJ銀行の香港支店に行ってみて、日本の口座の通帳記帳をしようと思ったけれども、無理と判明。せっかく町まで出たので、香港大會堂コンサートホールに行って、チラシを山盛りとって来る。とにかく、中国音楽のコンサートが多い。今日の夜も実は、無料の中国楽器のコンサートがあるのだが、既に入場整理券の配布が打ち切られていて、満席だそうだ。

JCRCに戻り、自室でチェロ協奏曲「ミワモキホアプポグンカマネ」の編曲作業を少し進めて後、i-dArtのスタッフと恒例のランチ。ランチの時間に、日本語を教えて、広東語を教わるのも恒例。

2時から4時は、ダンスチームに2時間みっちり野村のワークショップ。今日のこのグループは、全部、ぼくにお任せとのこと。みんなに、野村の動きを真似してもらうことにして、手を叩いたり、簡単な音の出る動きをしたり、声をしたりして、遊ぶ。そういうことの延長線で、イスを叩いたり、イスを散歩したり、イスを運転したりして遊ぶと、場がどんどん混沌となってきて、みんな勝手に遊び始める。もうこうなったら、リーダー要らないな、と思い、楽器を演奏して、皆さんの動きと野村の鍵盤ハーモニカのセッションが一頻り行われました。

それで、この後が面白かった。リーダーが不在になったのをチャンスと感じたメンバーの一人が、リーダーみたいに振る舞い始めたので、これはいいと思い、彼の動きをみんなで真似することにしたら、どんどん本当にダンスの先生みたいになって、素晴らしい。そういう時に、誰かが変な動きをしたら、ぼくはそれを真似して増幅させたりするので、時にリーダーが二人になるけれども、その辺は大丈夫。

さらに面白いことに、通訳が不要ということ。途中から、英語で話して訳してもらう意味も感じなくなって、日本語で喋っていたのだけど、通じるんで、言葉の壁を全く感じない。すごいなぁ。

前回からこのグループに参加の新入りさんがいて、彼はまだ輪に入れないで、傍観者であります。彼が、休み時間に口ずさんでいたリズムがあって、そのまま、それで始めようと、彼のリズムを起点にボディパーカッションを始めると、気がつくと、彼は壁を叩いていて、誰からも距離を置いていたのに、ぼくの顔のすぐ側まで顔を持ってきて、鍵ハモを演奏しに来た。とても良い笑顔で、幸せをいっぱいもらった。

JCRCという巨大な福祉施設で、アーティスト・イン・レジデンスをしていて思うのは、こんなに笑顔の多い環境で生活するのは、精神衛生上とても良いということ。

ボディパーカッションの後、違うことをしようと思っていたら、さっきリーダーになった彼が、今度は新聞紙を持ち出してきた。メキシカがそれを止めようとするので、彼女を制し、リーダー君のリーダーぶりに、委ねてみた。リーダー君は、そんなに仕切る感じではなく、新聞紙に興味があったみたいなので、新聞紙で色々遊び、最後はちぎったり、もみくちゃになったりし、その上、そこで、様々なデュオダンスも試みたりして後、みんなでお掃除して、クールダウンの体操をリーダー君に仕切ってもらっておしまい。いやぁ、楽しかった。

休憩中に、i-dArtのオフィスに行って、ジョウイとポストカードづくりの相談。野村が選んだ絵で、いくつかポストカードを試作してみる試み第1弾。

その後、5時からのダンスグループにも参加。こちらは、5月26日の発表会に向けての練習なので、最初のストレッチ以外は見学していたら、終わり頃に、メキシカから、ここからマコトさんのコーナーにしましょう、と言われる。ここで、全然別のことをしても、どうかと思うので、練習していた群舞を、野村が少しだけ演出することに。まずは、指導者のメキシカとグレイスが踊らないで、メンバーだけで踊ってもらうと、お手本がいないので、みんな不安そうでまとまらないが、一人一人の個性は見えやすくなった。ただ、人数が多いと、バラバラすぎて個性を味わいにくいので、ソロだったり、3人だったり、違った人数のシーンの組み合わせ、それぞれが生きるように再構成してやってもらう。それぞれの人が見えてきて、良かったし、これだと、野村が入った方が面白くなりそうで、出演できるーーー!やっほーーー。