野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

阪神タイガースを紹介するBBC

BBCラジオ3の今週の作曲家が武満徹で、5日間に渡った特番を連日、聴いておりました。映画音楽など、知らない曲も含めて、武満作品をまとめて聴く良い機会になりました。5回の番組の中で、二度に渡って、夕食後はテレビで野球を観戦し、阪神タイガースを応援していた、とのエピソードが語られたことには、驚きました。野球に興味のないイギリス人のリスナーにとって、阪神タイガースというチーム名を、わざわざ番組で紹介しているのが不思議でした。

この番組の数週間前の特集が、20世紀ポーランドの現代作曲家のルトスワフスキーでした。ポーランドの4人の作曲家(ルトスワフスキ、パヌフニク、ペンデレツキ、グレツキ)をまとめた「A Polish Reneaisance」という本は持っていたのですが、番組で紹介れた曲で、その本の中で言及されていない曲も多かったので、新たに「The Music of Lutoslawski」という本を注文したのですが、それが届いたので、嬉しくパラパラと読んでいました。それで、ルトスワフスキのメロディーの作り方で設定しているルールが説明されていたのですが、これがルー・ハリソンの方法とそっくりであることに気づきました。1913年生まれのルトスワフスキ、1917年生まれのハリソンですが、ポーランドアメリカで、それぞれ同じ方法論になっているのが面白いです。参考になります。

来週から1ヶ月フランスなので、出発前に、色々な事務作業をしております。確定申告などの準備で、領収証の整理などを少しだけ進めました。こうした作業を進める上での本日のBGMは、バリガムラングループのギータ・クンチャナによる「ガムラン プチ・ガトー」。小林江美さんのオリジナル作品集で、バリガムランの様々な可能性を味わえる素敵なCDなのです。

昨日いただいた「世界のしょうない音楽祭」のDVDを観ました。今回、「越後獅子コンチェルト」でやったのとは、また全然違うアプローチで来年の「世界のしょうない音楽祭」をやりたい、と思いました。このプロジェクト、日本センチュリー交響楽団の楽団員が参加するプロジェクトでもあるので、プロのオーケストラ奏者の特色を活かそうと、野村が五線のスコアで作曲してきましたが、日本センチュリー交響楽団の楽団員が即興やワークショップの経験が増えてきたので、次年度は、楽譜に書かない音楽を実現できるかもなぁ、という気がしました。