野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

古今調子とクラリネット

今日は、2月25日の「世界のしょうない音楽祭」に向けて、頭の中では構想を練っていた「日本センチュリー交響楽団のテーマ」の譜面を書き始めました。朝から作業を始めて、おおっ、突然、ハイドン交響曲第100番「軍隊」のメロディーが曲の中に移植されていったり、「世界のしょうない音楽ワークショップ」での様々な素材が、どんどん楽器になっていきます。それにしても、センチュリー響の楽団員がブラームスを題材にやったワークショップで、短調のメロディーを作ると言いながら(書き間違えたのか勘違いしたのか意図的だったのか分かりませんが)、C,D,E♭,G,Aという音階の曲ができました。それが偶然にも、箏の「古今調子」になっているのです。(こんなことなら、「千鳥の曲」と共演する曲にすべきだったか!)こんな偶然から生まれたメロディーを愛おしく思っていて、古今調子の音階でクラリネットがアドリブソロをしているかのような独奏メロディーを書いて、すっかりご機嫌になり、食べるのを忘れて夢中で譜面を書いていたら、気がつくと夜でした。