野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

子どものための哲学舞台

フランス人演出家ディディエ・ガラスとのアトリエ劇研での稽古が続いております。昨日まで、即興のゲームのようなことを繰り返しておりましたが、本日は、急にそうした要素を組み合わせて、全体を構成し、通し稽古をしました。本番が9月で8月に1ヶ月稽古できるので、もっとゆっくり進むのか、と思いましたが、急に作品になってきました。

「ことばのはじまり」というタイトルの作品は、戯曲があるわけではなく、即興を通して創作していくようであります。この作品は、親子で鑑賞をすることを前提とした新作として、アトリエ劇研からディディエに委嘱されたものです。非常に原初的な部分もあり、子どもと通じ合える部分もありますが、西田幾多郎の哲学と関連づけようとディディエは考えている部分もあるようで、小学生と西田哲学がどう結びつくのか、なかなか謎な部分も多いです。

しかし、「子どものための哲学」などが盛んなフランスですから、日本の子ども達に、芸術と哲学を投げかける意欲的な作品をつくるというのも、十分ありなのだと思います。