野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

余白の多い曲

いよいよ今日から、東京へと出発です。ちゃんと朝起きて、ちょっとだけピアノの練習をして、4月のインドネシア行きの航空券の手配をしたりしてから、いざ出発。

暇な時は、何も予定がないのに、予定が重なる時は、いろいろ重なってしまう。来月、ロンドンで演奏されるガムラン曲の〆切が、実は3月16日。実は、密かに色々考えていたのですが、結局、「てぬき」というシリーズの第6番を作曲することに。新幹線の車内で書き終えるつもりが、途中まで、続きはホテルで。

ということで、本日は、17日のコンサートに向けての橋本知久さん、渡邉達弘さんとの鍵ハモトリオのリハーサルなのです。今回のプログラムは、イギリスの実験音楽の代表的な作曲家Michael Parsonsをはじめとするイギリス実験音楽特集もあって、作曲だけでなく振付もする橋本さんが参加するので、動きの要素のある曲もプログラムに入れております。

で、リハーサルが、途中で雑談をはさみながら、非常にクリエイティブに進んで良かったのです。猛練習でもあるのですが、曲によっては演奏者の解釈の余地が多く、余白をどう埋めていくかが、非常に面白い作業になってきます。練習の中での様々な会話で、曲の新たな解釈が生まれてくるのが、なんとも楽しいのです。

1 橋本知久作曲 「新しい人のためのファンファーレ」
2 渡邉達弘作曲 「野菜スープの作り方」
3 野村誠作曲  「てぬき No Notes V」
4 Michael Parsons作曲 「Rhythmic Canon
5 Michael Parsons作曲 「Pentachodal Melody」
6 Andrew Melvin作曲 「Carillon Sec」
7 Hugh Nankivell作曲 「Goat Music」
8 木山光作曲  「曾根崎心中」

休憩

9 野村誠ソロ
10 渡邉達弘ソロ
11 橋本知久ソロ
12 近藤浩平作曲 「南の島の3人の男」
13 Gardika Gigih Pradipta作曲 「Melodi di Kampung」
14 中村典子作曲 「雛翠 Baby Green」 

ということで、練習後、千住のホテルに着いて、「てぬき No Notes 6」を作曲。だいたい、できあがり。いよいよ、明日は、「千住だじゃれ音楽祭」の最終リハーサル。