野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

火鉢を試運転

原発事故をきっかけに、色々エネルギーのシフトを勉強中ですが、我が家では、暖房として火鉢の導入をしました。本日、テスト運転してみました。

木造の家で、1階で使い、2階の窓を少し開け、1階のトイレの窓を開けて使用してみました。空気が自然に通り、じわーっと暖まり、2階まで暖まりました。そして、炭の燃える音が、本当に静かに美しいのです。

火鉢に鉄瓶をかけ、1時間ほどかけて、じっくりお湯を沸かし、そのお湯で飲んだほうじ茶が最高に美味しかった。

こうした生活を変えていくことで、鈍っている感覚が研ぎすまされていく予感があります。マリー・シェイファーの「サウンド・スケープ」、ポーリン・オリヴェロスの「ディープ・リスニング」など、20世紀後半の現代音楽の一つの動きとして、騒音社会への反省としての耳の回復ということがありました。

しかし、耳というのは独立して存在するのではありません。五感全て、さらに言えば第6感も含めた全感覚と連動しています。音楽というのは、音を全感覚で体感するものだと思っておりますから。

そういう意味で、音楽の感受性のために、聴覚のみならず、全感覚的な体感を鍛えていくような生活が必要だと、考えております。

というようなこともありますが、まぁ、火鉢は楽しく暖かく、幸せな感じがしますよ。