野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

今日の決意表明

いよいよ、コンサート本番の日ですが、日中は時間がありましたので、片岡祐介さんが、5月11日にNHKで放送されたETV特集「ネットワークで作る放射能汚染地図 福島原発事故から2ヶ月」を録画していて、見せていただきました。震災後、ぼくはずっとインドネシアにいて、日本のテレビ番組を観る機会もなかったですし、日本の様子を映像で見ることも全くできなかったので、本当に、初めて見る光景ばかりで衝撃の内容でした。テレビ番組なので、実際の取材のうちの氷山の一角しか放送されていないわけですから、そのことを考えると、当然ながら、自分の無力感に本当に気持ちが重く沈みました。
 しかし、気持ちが重く沈んでいても、何も始まらないです。どこに希望を見出そうか、と考え始めると、やはり、こういった番組を作る人がいたり、辞表を提出して個人で放射能汚染の調査に乗り出した人もいて、こうした番組をインドネシアまで届けてくれる友人もいることに、ぼくは希望を感じます。問題から目を背けて(なかったことにして)いる状態に比べれば、無力感に呆然とするほど問題を明るみになっている現状の方が、問題解決には数歩前進しているわけです。もちろん、現在、放射能汚染により、酷い目に遭っているいる人々を、ぼく一人の手で救おうにも、ほとんど何もできない無力感はあるにしてもです。でも、こうした深刻な問題に、真っ向から向かっていこうとしている人が、少なからずいることは、大きな希望です。そして、そうした人々と力を合わせていけば、世界は着実に変わっていくと信じて、ぼくは、ぼくのできる範囲内のことを、少しずつやっていこう、と考えることができました。ぼく一人の力だけで世界を変えることはできません。でも、ぼく一人の力が、他の人の力と連鎖して、大きく世界を変えることはできるはずです。だから、ぼくは、(世界がこのように変わっていって欲しいという願いとイメージを、何度も丁寧に確認しながら)自分の身近な友人と助け合い、自分の身の回りの生活を少しずつ変えたり、「げんぱつやめます」と唱えたり、自分のできることを、無理せず継続して着実に続けていこうと思います。そう思えたのも、片岡さん、尾引さんが、日本からの情報を届けてくれて、一緒に話し合うことができたからです。ありがとう。