野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

インドネシアの多民族音楽

 今日も晴れ。ちょっと曇ったりしたけど、雨が降らず。暑い日々が続きます。部屋にも熱がこもります。
 明日はイースターの祝日で、川でアートイベントがあるので、そのリハーサルに行きました。ジョグジャの芸大の民族音楽学科の先生であるハリヤントさんが、音楽を監修するようで、ダンサーは川の中で踊り、こちらの岸から観客が見て、対岸にミュージシャンがいる、という設定だそうです。また、これが、市街地からさほど離れていないで、ちょっと田舎な雰囲気もあって、良いのです。昨日の石の家の庭での練習といい、こういう創造の雰囲気や場所を持っているジョグジャは、豊かです。まぁ、もちろん、京都だって、法然院のお庭で演奏したり、鴨川の河原で演奏したり、ロケーションにはこと欠かないのですが。
 シタール(インドのギター)の人が登場、次がバリ人のリンディック(竹琴)の奏者が登場。既に多国籍音楽。スマトラのフレームドラム、東ジャワのパトロルという超巨大な木のスリットドラムも登場。中部ジャワのガムランの楽器、トルコのダルブッカなど、完全に多国籍音楽。そこに、東ジャワ(バニワンギ)の歌が入ったり、中部ジャワの詩吟(モチョパット)が入ったりする。インドネシアという国は、そもそも多民族国家なので、インドネシア音楽をやろうとすると、そもそも多民族共存音楽になるわけです。
 ハリヤントさんは、簡単な楽譜を用意していました。まぁ、楽譜といっても、簡単な構成が書かれたもので、穵 寂しく/瞑想的に 穸 起き上がる 窂 喜ぶ という3つのシーンになっています。微妙にハリアントさんが口で説明して、だいたい、こんな感じ、と言って、みんながそれで演奏する感じです。これらの民族楽器のすごいところは、それで演奏しても、まぁ、成立してしまうところです。それぞれの音色は豊かで、倍音が多いから、音階とか少々違っても、混ざり合って、違和感ない感じです。
 今日は音楽だけの練習で、舞踊とはどう関連しているのか、さっぱり分かりません。川の水が増量して、川の中で踊れなくならないか心配ですが、幸い、晴れが続いているし大丈夫なのでしょう。明日の本番が、楽しみです。