野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

白髪のはなし

どうでもいいことなのですが、最近、鏡に映った自分を見ると、髪の毛の中に、白髪が混ざっていることに気づいたりします。かつては、100%黒い髪だったし、年をとったら100%白髪になるのでしょうが、今は、1〜2%くらいの白髪で、98〜9%の黒髪状態です。それで、ああ、年をとったものだなぁ、と寂しい気持ちになりそうだったのですが、考え方を変えて、今のような割合の髪の毛を楽しめるのは、今だけだ、と気がついたら、この髪の毛の配色に、妙に愛着を感じました。そうなのです。そう思ってみると、わずかに混ざっている白髪が、なんと美しいことか。

そして、自分の白髪を見ながら、マイノリティのことを考えてしまいました。黒髪が主流のぼくの頭髪の世界では、少数派の白髪は、やっぱり浮いています。非常に目立ってしまいます。そして、調和を乱す存在とレッテルを貼られ、居場所を失います。黒い髪の毛に隠されたり、抜かれたりして、存在をなかったことにされたりするのです。

でも、少数派が魅力を輝かせながら、力強く生きているような、そんな輝きが白髪にはあるではないですか!そうした魅力を見出せた時、自分の白髪を愛することができるようになりましたし、マイノリティが声を大にして主張していることが聴ける耳が、やはり必要なのです。聴く芸術家の話


http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20100205