野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

老人ホーム・リミックス

いよいよ3月14日に、老人ホーム・REMIX #1
が開催されます(収容人数が50名程度の小さな会場なので、当日は満席が予想されています。来ようと思っている方は、予約をすることをお薦めします)。

本日は、さくら苑のお年寄りたちの前で、本番と同じプログラムを上演して、見ていただきました。

これは、本当に面白い。と同時に、かなり手強い。お年寄りの演奏は色々ニュアンスもあって味わい深くて、とてもいいのですが、これを映像にして、編集することで、その中でも選りすぐりの場面ばっかりが凝縮されているわけです。この選りすぐりの映像に、野村がピアノで立ち向かうわけですが、こちらはライブなので、選りすぐりの濃縮度に見合う演奏をしなければいけないのが、これが、本当に大変だ、ということを思い知りました。ピアノの練習をしてきたんですが、まだまだ未熟者だと思いまして、明日から、さらに精進します。

お年寄りの一人に、こういうことをする意味はあるのか?と問われました。ぼくが創作をしたり、発表することに、何の意味があるのか?意味を問われても、建前上の意味はいくらでも言えるでしょうが、ここで問われていることは、そういうことではないですし、そんなことをこの場で言っても仕方がない。ぼくの答えは、ぼくが作曲したり、発表してしまうのは、性です。どうしてもそうしてしまう性なので、意味などを問う前に、作品をつくり発表してしまう。そしたら、お年寄りたちは納得してくれていたようです。

生きることの意味、食べることの意味、意味を考えても分からないけれど、でも、生きてしまうし、食べてしまう。音楽をすることの意味は分からないが、音楽をしてしまう。多分、死ぬ瞬間まで、音楽をしてしまうんだろう、と思う。それが、ぼくの人生なんだと思うのです。

そうしたぼくの人生であり音楽が、さくら苑のお年寄りたちと交わるコンサートは、3月14日です。

予告編は、こちら

http://www.youtube.com/watch?v=LbYZ6hyhTWI

老人ホームに音楽がひびく?作曲家になったお年寄り

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