野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

マイノリマジョリテ・トラベル

愛にあふれる作曲家、樅山智子さんと久しぶりに会いました。

途中で、東京レズビアンゲイパレードを見に行きました。ぼくは、パレードというものが苦手なんだなぁ、とあらためて思いました。パレードをしている人は車道を歩いていて、歩道に普通に通行人がいます。パレードしながら、途中で、歩道に来て、また、歩道から車道に出たり、というようなことができないので、窮屈だと、ぼくは感じちゃうみたいです。でも、多分、そういうことを窮屈だと感じるのは、ぼくだけだったりするので、だから、ぼくみたいな人はパレードに参加しなければいいし、ぼくがパレードに加わったら、途中で逆走したり、道路の途中の歩道橋の上から演奏したりして、警察に注意され、パレードの全体の秩序を乱し、みんなに迷惑をかけてしまうのです。

だから、ぼくは集団行動とかにどうしても馴染めなくって、結局、一人で作品を作ったり、自分が共感できる人とだけコラボレーションをしたりします。集団行動すると、自分が壊れちゃいそうになるんですね。もう大人なんだし、それくらいできてもいいのに、と思うのですが、できないのです。

あと、パレードでかかっていた音楽が、大音量でスピーカーから流れるのが、暴力的で、しんどくなってきました。じゃあ、自分が作っている音楽にも、そういうことってあるよね、と思って、また、しんどくなってきました。

で、気分が悪くなっちゃって、樅山さんにも心配をかけて、また、別のカフェでお話をしました。

マイノリマジョリテ・トラベルとエイブル・アート・ジャパンの間で、いろいろ誤解が生じ、いろいろな経緯があって、今、10月のフェスティバルで、トークセッションをやることになった、という流れが、ようやく分かりました。問題がいろいろ山積みってことが分かったし、ぼくのスケジュールを見る限りは、このトークセッションの準備のために、ほとんど時間が割けないのが現実です。だから、色々、この先のことを考えると、また、疲れちゃいました。

ぼくが頑張ると、いろいろできそうな気もしますが、あんまり、色んな荷物を背負いすぎると、ぼくがつぶれてしまうのも確かです。えずこホールの音楽劇も、P−ブロッのイギリスも、あいのても、取手アートプロジェクトも、山下残くんのダンス公演の作曲も、どれも、ワクワクなのですが、労力をかけすぎると、ぼくのカラダがもちませんし、みんな過度に期待してくれると、ついうれしくなって、やってしまう自分。もっと、みんなを突き放して、自分のできる範囲内で関わらないといけませんね。

みんなが幸せになれるために、まず、ぼくが犠牲になるのではなく、ぼくが幸せになりたい、と思います。だから、ぼくが幸せでいられるわがままを、ぼくなりに見つけようと思います。