野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

つくしの会児童合唱団と大河原商業高校ギター部

朝食を食べずに、さらに昼食をとる暇もなく、つくしの会児童合唱団、大河原商業高校ギター部とのリハーサル。つくしの会は、初めて倉品さん、絹川さんに会う。手拍子のロンドを説明してみた。大人のワークショップ参加者があんなに楽しそうにやっていたので、子どもたちも楽しんでくれると思い込んでいたが、どこに面白みがあるのかを、ぼくがうまく伝えられず、子どもたちは戸惑いながらやっていた。その中で、音楽に最も関係のない喋るところが、一番イキイキしていたのが、面白かった。
「ゆか・まさあき」に合わせて、倉品さん、絹川さんに即興芝居をしてもらった。この曲は抽象的な音なだけに、色んなイメージを喚起する。それに一つのイメージをつけて客に提示することに、二人は戸惑っているようだった。そこで、この曲を聴いてどんなイメージを持ったかについて、観客に質問して、そのイメージで芝居をしてもらうことを思いついた。どうしてこんなことを思いついたか、と言えば、「つくしの会児童合唱団」では、いつも言葉をイメージすることを細渕先生が言い続けてきていたからだ。「つくし」の子どもたちならば、この音から何かをイメージして言葉にしてくれる、そう思った。「たぬきときつね」を聴いて、色んな言葉をイメージしてくれたもの。同じ曲が卵の孵化になったり、失恋になったりした。そのシーンとして芝居をしてもらうと、同じ曲が全く別のイメージに見えてくる。そこが面白かった。