野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

船迫中学校吹奏楽部

夕方は、船迫中学校吹奏楽部とのワークショップ。顧問の先生は、オーボエを演奏するようで、近々プーランクオーボエ+バソン+ピアノの作品を演奏会で演奏するらしい。
中学生は1、2年生で20名弱。全員でのレパートリーは今はなく、金管金管でアンサンブルを、木管木管でアンサンブルをやっているみたいで、それを聞かせてもらった。中学生の演奏する吹奏楽の音色というのは、本当に独特で、大人のようにクリアな音色ではなく、それがある意味、思春期独特の雰囲気と合わさった不思議な音色を作り出す。ぼくは、この中学生吹奏楽サウンドが好みだ。

せっかく演奏してくれたので、ぼくもお返しに演奏することにした。まずは、暗譜で弾けるということで、小学生の頃に作曲したピアノ曲「たぬきときつね」(1980年作曲)を演奏。この曲は26年前に作曲されたわけで、その頃、この中学生たちは当然生まれていない。じゃあ、みんなは何年生まれ?と尋ねると、1992年。pou-fouのCDが出た頃だ。この頃に作った曲は、全てpou-fouで共同作曲した曲だ。そこで、pou-fouの「AB」、「幸福な短い生涯」をピアノパートを演奏。pou-fouの作品を下敷きに大井浩明+向井山朋子のために書いた「ナマムギ・ナマゴメ」の話などもした。

それで、話しているうちに、10年前に水戸芸術館で中学生の吹奏楽団+2台ピアノ+ロックバンドで演奏した「でしでしでし」のことになった。で、せっかくなので、あの時の一日目にやったことを再現してみることにした。まず、難しいリズムの手拍子でのリズムうちから始まり、それを楽器でやってみて、さらに、全員に1〜7の番号をふり、1の人はド、2の人はレ、として、一小節繰り返すごとに、それぞれの音程が変化していくシステム。

それから、昨日ギター部でやった一人一音演奏をやってみた。同じルールでも、ギターで出るサウンドと、吹奏楽で出るサウンドは全然違って面白い。

最後に、息を吹き込まずに、キーノイズのカタカタ言う音とか、マウスピースを平手で叩いてポンっていう音だけの合奏をしてみた。

この吹奏楽団とも、月に1回とか1年間、こういう活動を続けていくと、何かが育まれていきそうで楽しみだな、と顧問の先生とも話した。