本日は、朝からヨッカブイに出かける。10年前に山田知子著の『相撲の民俗史』を読み、各地に伝承される相撲神事に興味を持った。その中で、特に興味を抱いた神事に、
ガラッパ相撲(鹿児島県南さつま市)
などがあり、ガラッパ相撲(ヨッカブイ)を見に来るのは夢だった。九州に移住して、コロナが明けたら絶対に見にこようと決意したが、昨年はサントリーサマーフェスティバルに出演するために無理で、今年ついに実現。感激。
JACSHAの鶴見さん、里村さんと行く。現地で美術家のしまうちみかさんらとも遭遇。シュロを被った姿が強烈で子どもたちが号泣するので、児童虐待と言われそうだが、これが伝統でありご利益があるらしい。
金属の音色が非常に特徴的なのだが、ビジュアルも特徴的。竹から吊り下げた金属を金槌で叩く。昔は鐘だったらしいが、現代はこれで代用しているらしい。さいたまトリエンナーレ2016での『まちなか太鼓まわり』でやったぶら下げ楽器とそっくり。
この金属音は非常に遠くまで音が通るので、千住の1010人でもこういう音があってもいいな、と思う。
玉手神社で行われた保育園児たちの相撲では、園児による呼び上げ、さらには、一連の所作をお遊戯のように「とんとん、きらきら、よいしょ、よいしょ、よいしょ」と言いながらやるのが、本当にかわいい。
ヨッカブイについては、また追々整理して書くことにしたい。
午後は、さらに1時間ほど南下し、鹿児島県の南端、坊津の歴史資料館にて、泊地区自治会長の田中さん、坊津支所の新田さんから「十五夜綱引き」のお話を伺う。昨年、《タリックタンバン》を作曲し、綱引きは重要な要素だったが、南九州のリサーチは未だ十分には始められておらず、文献リサーチに留まっていた。今回、初めてお話を伺えて感動。
新月から満月まで15日がかりの行事だ。元々、船に乗って茅を取りに行っていた名残で、今でも船での掛け合いもある。
数十メートルの綱をつくる。かつては車道でやっていたが、現在は道路拡張のため歩道で行う。
綱引きの前には、踊りや歌もある。
もちろん、相撲もある。本当に一日だけでない総合的なお祭りだ。ご親切に資料を見せていただき、感謝。
それにしても、里村さんが熊本県宇城市の不知火美術館に仕事を見つけて、二人でに移住した。不知火美術館で塔本シスコの展覧会をすることになり、シスコの十五夜綱引きの絵に出会う。中野裕介パラモデルの展覧会もすることになり、そこで肥後琵琶と出会う。気がつくと、肥後琵琶と十五夜綱引は、ぼくの創作の大きなインスピレーションとなっていて、今日、鹿児島県の南端まで来ている。不思議なご縁だ。
浜やお宮、資料館などをクイック見学の後、開聞岳という美しい山を見て、聞くを開くという名前に感動する。耳取峠から開聞岳を眺める。
その後、霧島温泉まで3時間ほどドライブ。鹿児島県の端から端まで移動の後、温泉でリラックス(里村さんは明日出勤なので、さらに熊本までドライブ)。源泉掛け流し、素晴らしい。