野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ガチャ・コン音楽祭フィナーレ

びわ湖・アーティスツ・みんぐる2021『ガチャ・コン音楽祭』も、本日が最終日。滋賀県立文化産業交流会館小劇場にて、クロージングライブ。フルートの井伊亮子さん、マリンバの宮本妥子さんと、しっかり準備して臨んだ演奏会だが、旅のような演奏会だった。演奏した曲目は、今回のために書き下ろした新作ばかりで、曲ごとに滋賀県近江鉄道沿線を旅していく。日野(ガチャ・コン音楽祭キックオフ口上)、米原(再会の角力甚句)、豊郷/八日市江州音頭洋風ソースかけ)、河辺の森(河辺の森で待っている)、桜川/朝日大塚(即興の時間)、水口城南(馬鹿ばやし異聞/バーチャルセッション八妙ばやし)。そして、音楽を通して、いろんな時間を旅をする。2週間前、4ヶ月前、170年前、‥‥。

 

無人駅の音楽会』では、圧倒的に美しい借景があった。今日はホールの反響板があるだけで、何の風景もない。この1年間に滋賀県で出会った人々、出来事、風景の記憶を音に込めて演奏する。演奏しながら、そうした風景をイメージする。だから、殺風景なホールにいるけれども、景色が次々に変わった。その感覚を観客の方々と共有できるかどうかはわからないけれども、それでも、走馬灯のように思い出される名場面をイメージした音楽会だった。そうした気配の欠片が、少しでも振動になって伝わっていってくれることを夢想しながら、音を奏でた。

 

井伊さんのフルートは本当に美しく歌っていたし、宮本さんのマリンバの音のやさしさも絶妙だった。このような素敵な音楽家に演奏していただけることは、作曲家としては本当に幸福なことだ。ぼくの中には、いろいろな野村誠がいて、即興演奏で音で遊びまくる野村誠もいれば、叙情的な美しい音楽を作曲する野村誠もいるし、コメディアンや役者のような野村誠もいる。今日は、フルートや植木鉢に触発されて、野村の叙情性がいっぱい出てきた。

 

日撫神社角力踊り保存会の方々にも出演していただき、井伊直亮から奉納された化粧回しも展示していただいた。角力甚句も大変味わい深かった。

 

アートプロデューサーの原久子さん、近江鉄道の山田和昭さんとのシンポジウム(司会の谷さん見事な進行)も、本当に面白かった。もっともっと話したかった。とにかく、今回は、野村が働きすぎたので、もっともっと仕事をいろいろな人に振っていくのが次年度以降の大きな課題。それと、あまりに自分に縁のないビジネスということについて勉強してみようという気持ちになった。

 

これで『ガチャ・コン音楽祭』は全プログラム終了。終了しているのに、続いていくこと、始まっていくこともある。ぐるぐるメンバーから、ぐるぐるカフェなる企画が立ち上がってきた。嬉しいなぁ。

 

びわ湖・アーティスツ・みんぐる2021展示部門が開催されているので、展示を見る。昨日までと違って、作家が来ているので、一人ひとりに声をかけたり質問したりする。

 

みなさん、本当におつかれさま。10月が終わっていく。ありがとう。

 

近江鉄道で『車内放送歌合戦』31日目が行われた。これにて千穐楽

 

以下、推測される本日の運行と放送状況の詳細(どうしても知りたいという人以外は、スルーしてください)

 

6:00 米原発、彦根行車内で

フジテック前(竹澤悦子)、彦根(岡田健太郎

が放送され、

 

6:45 彦根発、米原行車内で 

鳥居本Hugh Nankivell)、米原(岡田健太郎

が放送され、

 

7:00 米原発、彦根行車内で

フジテック前(竹澤悦子)、彦根(岡田健太郎

が放送され、

 

7:16 彦根発、米原行車内で 

鳥居本Hugh Nankivell)、米原(岡田健太郎

が放送され、

 

7:33 米原発、近江八幡行車内で

フジテック前(竹澤悦子)、彦根(岡田健太郎)、尼子(竹澤悦子)、豊郷(日野少年少女合唱団+野村誠)、愛知川(Hugh Nankivell)、五箇荘(鶴見幸代)、河辺の森(岡田健太郎野村誠+ぐるぐるメンバー)、市辺(竹澤悦子)、平田(日野少年少女合唱団+野村誠)、武佐(Hugh Nankivell)、近江八幡(鶴見幸代)

が放送され、

 

9:14 近江八幡発、彦根行車内で

武佐(Hugh Nankivell)、市辺(竹澤悦子)、河辺の森(岡田健太郎野村誠+ぐるぐるメンバー)、愛知川(Hugh Nankivell)、豊郷(日野少年少女合唱団+野村誠)、尼子(竹澤悦子)、彦根口(鶴見幸代)

が放送されたようだ。