野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

マエストロと再会

豊中に日本センチュリー交響楽団のコンサートを聴きに行きました。ベトナム国交響楽団音楽監督であるマエストロ本名徹次さんが指揮で登場されるのです。本名さんは、ぼくが初めて書いたオーケストラ音楽(ピアノと管弦楽のための「だるまさん作曲中」)を指揮して下さった方で(2002年に世界初演)、指揮するだけでなく、ふとんに入るし、散歩はするし、台詞は喋るし、本当にメチャクチャな曲を書いたのですが、見事に熱演していただいた尊敬するマエストロなのです。

本日は、ぼくが3年前からお仕事をさせていただいている日本センチュリー交響楽団を振られるし、あのガムラン風だったりモーツァルト風だったりするプーランクの2台ピアノとのコンチェルトもあるし、聴きに行かなくっちゃ!なのです。

冒頭のベートーヴェン交響曲1番から、非常に知的でクリアかつエネルギッシュな演奏で、オーケストラの魅力を伝えて下さりました。メインであるプーランクは、児玉麻里さん、児玉桃さんという二人のピアニストの演奏にオーケストラが軽快に色彩をつけていき、緊張感がある中で楽しさと喜びに溢れ、素晴らしい。2台ピアノとオーケストラって贅沢な編成です。そう言えば、ぼくの1995年の「でしでしでし」は、2台ピアノと吹奏楽とロックバンドの曲なので、人のことは言えないか、と思いましたが。「でしでしでし」再演したいなぁ。今度やろう。ユーモア溢れる「動物の謝肉祭」では、オーケストラの中の色々な奏者の魅力も引き出され、素晴らしい。ぼくの「動物の演劇組曲」(2007)とセットでもいいなぁ。あの曲も作ってから10年になるのかぁ。

終演後、楽屋を訪ね、マエストロと再会をすることもできました。帰りの電車では、偶然、センチュリー響のヴィオラの森さんとも一緒になったり。19世紀や20世紀のオーケストラ音楽を参照しつつ、21世紀のオーケストラ音楽を生み出していく仕事を、やっていきたい、と思っております。