野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

横浜→埼玉→新宿→京都

横浜市民ギャラリーあざみ野での展示が始まりました。午前中は、ギャラリーで子ども達が楽しんでいる様子を見ながら/聞きながら、展示の若干の調整。エントランスのビデオの音量を調整したりしていました。子どもたちが瓦楽器を鳴らしている音が、とても良く幸せです。

そこから大宮から一駅の土呂まで移動して、JACSHAの相撲の太鼓のワークショップに合流。鶴見幸代さんと、約10名の打楽器奏者の方々。一番太鼓のリズムは完璧。本日は、高砂部屋の呼出しの邦夫さんに、はね太鼓のリズムを教わりました。これが、また独特で、大変面白い時間でした。

夜は、東京オペラシティのリサイタルホールにて、大田智美、富田珠里、菊地奈緒子によるコンサートへ。会場では、音楽評論家の池田逸子さんに久しぶりにお会いしました。

コンサートは、前半は照明を薄暗くして、演劇的な効果を高めていました。その方が、音にも演技にも集中して鑑賞できました。前半の邦人作曲家の3曲の演奏も、とても良く、渡辺さんの曲も、呼吸感や間が、とてもよく、ピアノと箏という二つの楽器が対照的でした。音色も大変よかったです。箏の独奏も、すごく良かった。いい音していました。小出さんの千鳥の曲も、楽しかった。

ぼくの「六段→交段→空段→穴段の調」は、京都とは別の曲のように違って聞こえました。毎回、新鮮なのが不思議です。今回は、本当に3つの楽器が、どれが主役でどれが従属するという関係でない、対等なトリオという印象を持ちました。もともとが箏曲なので、箏が中心になりやすいと思いますが、全員がイニシアティブをとってアンサンブルしているのが、やはり室内楽の醍醐味だな、と思いました。リハーサルで何をどう変えたのかは知りませんが、3者の関係が、やりとりが、混ざったり混ざらなかったりが、とてもとても好きでした。一音、一音を大切に、でも、けっして間延びしない良い演奏だったと思います。幸せでした。

京都に戻らねばならず、最後の「ウマとの音楽」を聞けずに、退席しましたが、新幹線の中でも余韻に浸りながら、幸せな時間を過ごしておりました。新幹線の中で、8月21日の吉森信との2台ピアノのために、「日本センチュリー交響楽団のテーマ」をアレンジ。半分くらい書けました。