野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

晶文社の本

晶文社から秋に刊行予定の本の作業、大詰めです。色々、写真を集めたりしております。昔の資料を色々ひっくり返したりしています。

吉森信くんとの2台ピアノのコンサート(8月21日@門天ホール)に向けて、野村プロデュースコーナーの準備中。楽しみです。

センチュリー響とやっているプロジェクトについて、宣伝用に作文しました。

7月24日に、野村誠がワークショップのナビゲートをし、作曲/演奏でも関わっている日本センチュリー交響楽団のコミュニティ•プログラム「The Work」の発表イベントが行われます。

ワークショップは、就労支援NPO「スマイルスタイル」とセンチュリー響が共同で運営し、就活プログラムとして実施しました。3ヶ月間に渡り隔週で、音楽創作のワークショップ、就職活動のワークショップを交互に実施。音楽創作のワークショップは、直接、就職活動に関係せずに、作曲家の野村誠がナビゲートをして、交響楽団の音楽家と一緒になって、絵画を即興的に音で表現する、ボディパーカッションなど、様々な活動を行いました。

こうした音楽ワークショップが、就職活動に何らかの貢献をするのか、社会人基礎力を身につけるのに役立つのか、などを調べて、このような活動の意義を訴えていきたい、という主催者の思惑については、今後、議論されていけば良いと思います。

野村としましては、そうした意義だけに留まるようなプロジェクトのつもりでは、ありません。2015年の今、大阪でなければ成立し得ない音楽だと思っています。オーケストラの楽団員が、クラシックの楽曲のコンサートをするだけでなく、こうして新たな仕事を求めてワークショップで若者たちと交流を始めたこと。そのこと自体、大きなドラマでした。また、就職難の時代に若者が、何らかの可能性を求めて音楽創作のプログラムに参加していること。これも、かなり特殊な状況です。この二つの条件が偶々重なった結果、成立しているのが、このプロジェクトで、奇跡のような創作の場です。ぼくは、この状況をどうとらえるべきか、頭を抱えながら取り組んできましたが、両者が徐々に距離を近づけてくる結果に生まれてきた創造の空間を、本当に美しいと思えるようになりました。この音楽は、奇跡の音楽かもしれません。

特筆すべきことであり、当たり前のことですが、オーケストラの楽団員が、本気で良い音を出そう、本気で良い演奏をしよう、としていることも、敢えて言っておきます。そして、彼らが本気でワークショップの時間を楽しんでいることも、書いておきたいです。仕事だと思っていた時間が、だんだん遊びのような時間になっていく。「The Work」と題したプロジェクトですが、本質的に音楽はプレイするものだ、ということ。オーケストラのメンバーのイキイキした演奏を、身近で体験すること。しかもアマチュアの若者たちの時にシャイに、時にノビノビした演奏と混在した場で聴くこと。これも本当に奇跡の音楽だと思います。彼らと一緒に、ぼくもピアノを弾きます。ワークショップの内容を譜面にまとめあげる作業は、本当にドキドキする時間でした。

こうした奇跡の場で起こったことを、皆さんと追体験し、そのことを共有し、語り合う場を持ちたいです。これは、単にオーケストラの未来について考えるだけではなく、色々な話題ともリンクし得ると思うのです。広く、色々な方々にお越ししただければ、そして、活発な議論の場を持てれば、ここから何かが始まっていけるかもしれない。そんな希望を少しずつ感じ始めているので、ここでも告知してみようと思いました。もしお時間がありましたら、足をお運びくださると、有り難いです。

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【 日にち 】7月24 日(金)
【 時 間 】19:00 開演(18:45 開場)※終了予定時刻19:45
【 会 場 】センチュリーオーケストラハウス(豊中市服部緑地1-7) 【 入場料 】無料 ∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴センチュリー響と行っているコミュニティプロジェクトThe Work.
7月24日に、発表します。ワークショップに基づく野村作品「日本センチュリー交響楽団のテーマ」、ワークショップ参加者+楽団員による「ハローライフ協奏曲」などを演奏します。入場無料ですし、応援に来ていただけたら、幸いです。