野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

郷土芸能とオーケストラと

札幌での地域創造のステージラボにて講師をしております。全国のホール職員さん達の研修会です。ホテルをチェックアウトして、本日も、札幌教育文化会館へ。相変わらず札幌は快晴。

ホールロビーにて置きチラシを見ると、新垣隆くんのチラシがあり、何だか嬉しい気分になる。

今朝は、ホール入門コースと、事業入門コースの合同ゼミで、東京鹿踊の代表で、全日本郷土芸能協会の事務局次長の小岩秀太郎さんの講義を聴く。午後に小岩さんらとトークするために、覗いて欲しいとのこと。鹿踊のデモンストレーション、解説、口唱歌の体験、踊りの体験などをして、休憩時間に。口唱歌は、ザッザカ ザカザカ ザンザカザンザカ シッサゴザのような感じ。先日教わった相撲の太鼓も思い出すし、「踊れ!ベートーヴェン」を作曲した時に、子どもたちと作った口クンダンの「ジョンジョコジョコ、ジャカジャカ、デケデケ、いらっしゃいませー」というようなフレーズにも似ている。踊りの基本の姿勢は、相撲の四股の基本とも通じるところもある。色々、新鮮。

その後、音楽ホールのコースに戻り、児玉真さん、日本センチュリー交響楽団の柿塚拓真さんとオーケストラとワークショップの事例を踏まえてのディスカッションをする。ぼくは、いになく、誤解を招く表現をしてしてまで、色々語ろうとして、児玉さんがフォローしてくれるので、助かりました。ぼくとしては、とにかく若い音楽家が成長するための場としても、ワークショップorワークショップ的な活動を、ホール職員と音楽家と一緒になって作っていって欲しい、と思います。

オーケストラにしろ、公共ホールにしろ、大学にしろ、病院にしろ、増やすだけ増やしてしまって、気がついたら多過ぎる、予算削減のために減らしたい、という話になっているわけです。それで、税収が増える見込みはないのですから、人件費と事業費を減らして、施設維持費だけにお金がかかる、などということが起こりかねない。それを避けるためにも、色々な作戦を立てないといけないわけです。単に規模を縮小するよりは、予算規模を縮小しながら、活動のスタイルを変えていき、逆に従来できなかったようなサービスができるような転換が求めれる。それは、他の機関との連携もあるでしょう。そうした転換を強いられる時期だからこそ、早めにどんどん色々な試行錯誤をした方がいいのだと思います。そうしたヒントを少しでも提供できれば、と力説しました。まぁ、でも、無理しても仕方ないので、焦らずに一歩一歩やることだと思います。

午後は、東京鹿踊の小岩さん、JCDNの佐藤さん、セレノグラフィカの隅地さん阿比留さん、メセナ協議会の荻原さん、ニッセイ基礎研の大澤さんと、ぼくによる郷土芸能を巡ってのトーク。これまた刺激的な時間でしたし、JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)で行っているワークショップなどとリンクする内容も多く、考えるヒントを多くいただきました。

そして、飛行機に乗って、大阪に降り立つと、そこは南国。ねっとりとした蒸し暑さ。上着を脱ぎ、突然Tシャツに。