野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

最終セッション

本日が、KLでの最終発表でした。全て準備完了だったのですが、カムルルがサペを持って来ると主張し、サペの入った全員の曲をやるため、11時からサウンドチェックをすることにしていました。そうでなければ、本番直前に集合だったのですが、、、。

11時に集まってみると、デジタルミキサーに記録されていた音響のデータが、全てリセットで消去されていることが発覚し、来るはずの劇場のスタッフも来ないし、非常事態。しかし、そこからの奇跡的な頑張りにより、本番前に、サウンドチェックなども再度行い、本番を迎えることができました。11時集合にしていなかったら、絶望的な状況だったでしょう。

データが全消去されてしまったため、11時〜12時は、演奏家は待ちぼうけ状態になりました。ところが、この空白の時間に、箏と木琴の二人で、丁寧なリハーサルを行ったり、チョーグゥワンと尾引さんが話し込み、お互いの興味の共通点を見つけて意気投合したり、思いがけない交流が次々に起こりました。怪我の功名であります。

予約受付で想定された100名ほどの観客でしたが、実際には200名以上の観客が押し寄せ、慌てて座席を増設するなどで、開演は15分近く遅れましたが、無事2時間半に渡る「Nomura Makoto Work-in-Progress in Malaysia Part 2 Research & Music Sharing Session」を(音響のやぶさんの大活躍もあり)開催できました。言葉の説明で、観客との間を繋ぐ仕事をするのが、ぼくの一つの役割でしたが、演奏の時間が延びてきたので、説明を予定よりも割愛しました。とにかく、東南アジアの演奏家たちと一緒に音を出す時間を最大限にとること、その場を観客の方々と共有することに時間を割きました。それでも、最後の曲を演奏している時は、これで終わるのかと思うと、永遠に演奏していたい気持ちでした。

打ち上げで、アナンは「バンコクでやろう」と言うし、カムルルに「ジョグジャでもやりたいね」と言うと「大賛成!」とカムルル。スボウォさんが、「バリでやっても良いかも」と言う。また、やりましょう。また、会いましょう。