野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

双葉山に学ぶ!

ついに、「相撲セミナー・スペシャル」です。元大相撲力士の一ノ矢さん(松田哲博さん高砂部屋マネージャー)をお招きして、2時間のセミナー。振付家、ダンサー、音楽家狂言師、美術家、写真家、ジャーナリスト、英語教師、場をつくる人をはじめとする様々な方々にご参加いただきました。ご来場、感謝。

短い時間なのですが、進行役の野村が何者か説明すべきですが、一ノ矢さんのお話をできるだけ長く伺いたかったので、5分間の超ハイスピード野村自己紹介を行いました。おそらく、観客の人に丁寧に説明するというよりも、ハイスピードでかえって混乱させたような気もしますが、そこからレクチャー開始。

双葉山の芸術的な相撲を相撲力学の視点から解説していただきました。一ノ矢さんが、双葉山を本当に尊敬していることが、伝わりましたし、双葉山の求めた理想の身体、理想の相撲を追体験できて嬉しかった。また、腰割り、四股など身体の使い方に関してのワークショップも素晴らしかった。そして、相撲甚句の歌唱、さらには、「てっぽう」のやり方で太鼓を演奏していただいたり、会場からの次々と出る質問にもお答えいただき、最後まで熱い時間でした。

ぼくとしては、ピアノ演奏に対する大きなヒントを得ました。腰割りの姿勢でピアノを演奏する、双葉山のような重心の掛け方と脱力でピアノを演奏する、四股を踏んでピアノを演奏する。こうしたことで、相撲の身体でピアノを演奏するスタイルを独自に確立したい、と思えました。明日から、双葉山を見習ってのピアノ練習です。それと、もう一つは、立ち合いを意識しました。相撲の立ち合いと同じ気持ちで、即興演奏を始める、ということを、やってみたい。

相撲のセミナー3回が終わって、ほっとしています。相撲の智慧に、芸術が触発される学びの場が形成できたことは、本当に嬉しい限りです。相撲の智慧によって、相撲聞によって、日本のアジアの現代音楽の作曲は、大きく変わり得ると思います。まずは、野村誠という個人から。腰割りをし、四股を踏み、相撲の身体感覚で音楽を作曲する相撲聞芸術作曲家として、今後の人生を歩んで行きたいと、強く決意しました。勉強したいこといっぱいです。もっと、自分を磨きたいです。このような学ぶ機会を得られて本当に幸せです。相撲に感謝。一ノ矢さんに感謝。HAPSに感謝。音楽に感謝。芸術に感謝。世界に感謝。