野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

フォーラムに参加しました

「千住の1010人」から10日ほど経ちましたが、本日、東京出張で、あれ以来の東京です。本日出席したのは、企業メセナ協議会25周年記念事業。電通ホールで行われるクリエイティブリーダーとビジネスリーダーによる国際会議の東京セッションで、「創造経済とは何か 文化は資本だ」と題されています。ぼくは、クリエーターズ・セッション「コミュニティ、そして世界を開くアート」で、パネリストを務めました。他には、メキシコのダンスキュレーターのマリアナ・アルテアガさん、インドネシアの都市計画ルジャックセンター・ディレクターのマルコ・クスマウィジャヤさん、浜松のレッツの久保田翠さん、京都エクスペリメントの橋本裕介さん、司会進行はニッセイ基礎研究所の大澤寅雄さん。5分間の自己紹介は、パワーポイントと鍵ハモ吹き語りをしました。その後、ディスカッション。

東北の復興のことを忘れ、東京オリンピックに向けて浮れ、目先のことに一喜一憂するだけのバカな企業の経営者達などは、実際にはいないでしょう。もっとシビアに現実を見ていて、冷静にこの難局をどう乗り切るか考えているはずです。長期的な視野を持って、強かに企てる視点もあるはずです。文化との付き合い方も、十分検討されているはずです。それなりに即効性のある成果が見えやすいアートのみを支援するだけでなく、長時間熟成して発酵させてこそ成果を出すアートの価値を理解し、辛抱強く支援することに理解がある企業人もいるでしょう。ただ、それを会社の中などで、どのように説得していくか、そのための言語を獲得していくのは、きっと大きな苦労であることでしょう。

日本全国の各地の過疎化が進む地域で、着実に様々なアートプロジェクトが展開し始めている現実。このことを金銭面だけでなく、違った形でも支援していくことは、企業にとっても、東京中心の経済から脱し、今までと違う立ち方を見つけるエテュードになります。勘の良い企業人達は、そのことに気付き始めています。

2つ目のパネルディスカッション「新たな経済と文化による社会創造」の方でもコメントしたくなりました。ビジネスの世界の外にいる作曲家の視点で、ぼくは何を提言するのだろう、と思いました。