野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鳥取

京都駅でピアニストの西村くんとお茶をした後、鳥取へ。西村くん、来年3月に、野村の2台ピアノ作品を演奏する予定らしい。楽しみ。

鳥取へは高速バスで。京都から約3時間。座席も広く快適。鳥取の家々も瓦が立派。瓦の産地が近いのか。光沢があって、淡路の瓦とは違う。

大阪のアートNPOと色々仕事をしていて、デザイナーでもある蛇谷さんは、3年ほど前に大阪から鳥取に移住。ゲストハウス「たみ」を運営し、鳥取で様々な活動を展開。

ホスピテイルというプロジェクトを行う場所も見学。鳥取大学に地域〜〜学部というのがあって、色々プロジェクトを展開中らしい。あと、駅近くの旅館改装アーティストのレジデンス施設も見学。

博物館の学芸員の赤井さん、たみの蛇谷さんとお食事。鳥取は、何でも美味しいが、豆腐ちくわが有名らしい。

レジデンスには、フランスの俳優/演出家のディディエ・ガラスが宿泊中とのことで、顔を見せに行く。ディディエは着いてすくで、時差ぼけもあるが、元気そう。何でもフランスは大変なことになっているらしく、アーティスト達がストをしていて、モンペリエフェスティバル、アビニョンフェスティバルなど、次々にキャンセルになっているらしい。政府がアーティストの保険だか保障だかにかけている予算を大幅カットしようとしていることに対して、アート関係者の怒りのストライキらしい。詳しいことは分からないが、平田オリザさんが「芸術立国論」などを書いている上で、常に念頭に置いているであろうフランスが、芸術家に関する予算を大幅削減する、というのが信じがたい。詳しいことを聞きたかったが、時差ぼけで疲れているようなので、ディディエの愚痴を聞くだけで、早めに切り上げた。ただ、ディディエは、現在の政権は左翼なのに、実際のところ、お金お金だ、と嘆いていた。そして、結局、フェスティバルなどの経済効果があるのに、それらがキャンセルになってしまうと、経済的にも損をしていて、何にもならないと不平をもらした。もっともだ。芸術を有効に活用する術を、もっと政治家は学んだ方が良いはずで、政治家のためのアートワークショップを、もっとやるべきだろう。せめて、未来を担う若い政治家のためだけにも。

鳥取市から蛇谷さんの車で40分ほど移動して、たみに到着。京都の我が家の前の田んぼでも、蛙が大合唱しているが、こちらは、スーパー大合唱。延々と続く田んぼで鳴く蛙。たみに入ると、偶然たんぽぽの家の岡部太郎さんが宿泊中。お久しぶりですと挨拶を交わす。奈良の人と京都の人が鳥取で会う時代。彼は明日、鳥取大学で講義をするらしい。鳥取が盛り上がっているようだ。

たみ、素晴らしい。以下のウェブサイトを覗くだけではなく、是非、実際に泊まりに行くのがお薦めです。人々が集い、のんびりし、交流し、交感し合える場です。

http://www.tamitottori.com/