野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

The Work3回目

本日は、The Work -Music Projectの第3回目のワークショップでした。ぼくは、今年の4月より、日本センチュリー交響楽団のコミュニティプログラムディレクターに就任しまして、現在、最初のプロジェクトThe Workに取り組んでいます。

http://the-work.jp/


NPOスタッフ、オーケストラ事務局と2時間半のミーティングの後、enocoにてワークショップ。実際に何をしているか、というと、

1)作曲家が提案した手順に従い
2)若者と楽団員が共同で創作を行う。
3)それを楽団員が楽器で音にする。
4)若者と楽団員の要望を最大限活かして、作曲家がアレンジして
5)それを若者と楽団員で共演する

というプロセスを行おうとしております。このプロセスを通して、何らかの相互作用が起こることは期待はしておりますが、それが、どの方向でどんな風に起こるのかは、ひとまず想定せずにおります。ぼくの役割は、このプロセスが行えるよう、若者達と楽団員との関係をつなぐこと。第3回にあたる今回は、作曲の開始と位置づけられており、非常に重要な回となっており、かなりプレッシャーを感じながら臨みました。

ミニ作曲講座の後、ハローライフの若者とセンチュリー響の楽団員が混在したグループごとに、自分のメロディーに使用する5音を選んでいただき、

ド、レ、ファ、ソ、ラ
ド、レ、ミ、ソ、ラ
ド、レ#、ファ、ラ#、シ
ド、ド#、レ、ソ、シ

それぞれのグループに、その5音を組み合わせて、音列を創作していただきました。これを「日本センチュリー交響楽団」という言葉のリズムのメロディーとして、4つをつなげて、一つのメロディーを作ったわけです。これが、非常にスリリングでカテゴライズが難しいユニークなメロディーになりました。また、こうして作った音の列をもとに、4声のコラールにしてみました。「悪魔のコラール」が生まれました。

ひとまず、本日の目標である作曲の開始までは、こぎつけることができて、一安心です。その後、初回のワークショップから生まれた協奏曲「ゲンダ・ゲンカン1」と、言葉のリズムから発展させた「ゲンダ・ゲンカン2」を合奏。時間が少し足りなく、駆け足になってしまいましたが、、、、。そして、時間が不足したために、最後に参加者の皆さんからのコメントを聞く時間がとれなかったのが、悔やまれます。

しかし、なんとか今後への見通しが立ち、個人的にはかなり展望が開けました。この後は、一気に面白い方向に転がせそうで、ワクワクしています。