野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鍵ハモの吹き歌い

本日は、米子で、日本音楽療法学会の講習会があり、そこで講師をしまして、2コマ講師をしました。どちらも、歌づくりの講座だったので、マレーシアのカムルルがやっていたルバブ(胡弓)の弾き歌いを参考にした鍵ハモ吹き歌いをやってみました。これ、なかなか楽しい。マレーシアでの収穫をさっそく、お披露目できました。

1回目の講座では、レ、ミ、ファ、ファ#、ラというユニークな5音音階で作曲することになりました。せっかく、ミ、ファ、ファ#という半音階があるのに、そして、一人ずつにランダム言ってもらって、メロディーを作ったのに、療法士の人達は、こうした半音階が全然出てこないメロディーを作ったのです。これは、最後に質問してもらって、気づいたことで、調性やコードにしばられて、そうならないように作っていたようです。小学校の授業でやったら、かなり適当に言って印象的なメロディーになるし、ぼく自身が、そうしたルールにしばられていないので、意外な盲点でした。質問していただいて、よかった。

1回目の講座と2回目の講座の間に、少し若尾さんの即興の講座を見学すると、急に飛び入りゲストとして、若尾さんと即興ピアノ連弾をすることに。この講座の最後に、音楽療法と数値化のことに関する質問が出ておりました。そこで、次のぼくの講座の冒頭で、少しだけ数値化やデータについてコメントさせていただきました。音楽と人の関係の良さが、簡単に数字にできないことなど、みんな知っていること。それでも、数値化するのは、時に数字は他人を説得するために活用しやすいから。数字は利用するものであって、数字に魂を売らない方がいいですよ、と。

どちらの講座も楽しくやれたのですが、2回目の講座は、もう次の講座がないためもあったと思うのですが、終わった後、拍手が鳴り止まず、アンコールすることに。コンサートだとアンコールがることを予期していますが、講習会でアンコールが来るとは思っていなくて、驚きましたが、喜んでもらえたのは、嬉しかったです。アンコールに「老人ホームREMIX」より、「大正琴REMIX」を演奏させていただき、少しだけ老人ホームの話をさせていただきました。