野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ダルマさんが古い友達に会う

ギギー君と6月2日のコンサートのための練習。

チラシを作ってきてくれました(本番の10日前ですが、インドネシアで、1ヶ月前に宣伝を始めることはありません。みんな手帖を持っていませんし、1週間以上先のことを話題にすることも、ほぼありません。そして、これで超満員に人が集まります)。

それにしても、良いチラシです。ギギー君の友達に絵を描いてもらったようです。ギギー君とぼくが、時々、こうやって会って二人で鍵盤ハーモニカで言葉なく会話をしていた日々も、7月末に帰国してしまえば終わってしまうでしょう。「ダルマさんが古い友達に会う」というのは、まるで、10年後に、ぼくとギギー君が再会するような懐かしい未来のイメージすら持ちました。自転車で出会って、ただ、二人で釣りをしている贅沢な時間。

練習していると、舞踊家のスワルトさんがやって来て、7月のガムランフェスティバルの相談に来ました。ジャワ的には、約束なく突然訪ねて来るのが礼儀正しいらしく、そうすることで、また、このように、出会わないはずのギギー君とスワルトさんも出会ってしまいます。スワルトさんにも6月2日のコンサートの最後に、ダンサーの砂連尾理さんがゲストで登場する予定なので、観に来て、気が向いたら、飛び入りして下さい、と言いました。というか、この人、勘がいいから、かぎつけて今日来てしまったんですよね。

6月2日のコンサートで、ピアノもあるので、ぼくはピアノを弾こうと思って、ギギー君のピアノ曲を弾きたい、と言ったのですが、どうも、現在、作曲中のようです。ギギー君の新曲を世界初演できるのも楽しみです。

ギギー君は、芸大の西洋音楽学科の作曲を卒業しているのに、ガムランなど伝統音楽について、本当に良く勉強しているし、本もいっぱい読んでいます。将来の夢は、インドネシア中の楽器を集めた楽器博物館を創ることらしいです。将来、彼と再会して釣りをする時には、彼は博物館館長になっているかもしれませんね。