野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

新幹線の中で

「ブタとの音楽」を書き終えて、京都から新幹線に飛び乗りました。徹夜なので、乗った瞬間に寝て、次の瞬間に東京駅だった。ワープしました。

それで、新潟行きの新幹線に乗り換えました。新幹線の車内で、「ブタとの音楽」のスコアを開いて、揺れる車内ですが、ちょっとだけアーティキュレーションダイナミクスなどを書き入れたり、修正したりして、スコアの手直しをしていました。そして、一段落したところで、寝ようと思ったら、突然、「あなた、さっき楽譜書いていましたよね。この音楽家を知っていますか?」と言って、なんと、昨日の鈴木昭男さんとユリウスのコンサートのちらしを見せてきたのです。びっくりです。知っていますよ、もちろん。知り合いです、と答える。

なんでも、後ろの座席に座っていたが、座席の隙間から楽譜を書いているのが見えて、声をかけようと思ったらしい。ドイツ在住の彫刻家でノルウェイの石切り場にアトリエを持つ藤原信さんと、デザイナーの愛ちゃんという人でした。藤原さんは、石のアーティストだが、石を叩くだけの石のシンフォニーとかもやってみたいと思っている、と言っていて、音のアーティストの知り合いも多いと言っていました。

「昔、ベルリンで細川君に楽譜を見せてもらったりして・・・」と、いろいろ著名な現代音楽作曲家の面々ともお知り合いのようでした。新幹線で後ろに座った人から、鈴木昭男さんや、ロルフ・ユリウス、さらには、細川俊夫さんなどの話を聞くとは、思ってもみませんでした。いつか、ドイツかノルウェーのお宅を訪ねるかもしれません。