野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

横書きと縦書きの違い

石村真紀さんの新しい著書「あなたに伝える音楽療法のエッセンス 生きたセッションを体験するために」(音楽之友社)が我が家に届いていた。この本の中の譜例を起こすのを手伝ったので。

本をざっと眺めての第1の感想が、どうして横書きの本にしたのか?だ。というのは、これは、もともと「ムジカノーバ」に連載していたエッセイをまとめたものだが、そもそも連載は縦書きだったのだ。縦書きで書かれているエッセイを読む場合は、縦書きで書かれているエッセイだと思って読む。文章も知識を重視しているよりも、縦書き風の感覚的なエッセイとして書かれているものだ。

ところが横書きに落とし込まれると、同じ文章が全く違った印象になってくる。横書きになると、エッセイではなく、何かを説明する本になってしまう。縦書きだったら感覚的に書いていて良いと思えることも、横書きにした途端に、説明不足で曖昧、中途半端と感じられてしまう危険性があるのだ。ぼくが編集者だったら、縦書きのまま本にするし、横書きにするならば、もっと横書き的な側面を大幅に増やすようにしたと思う。

それにしても、ぼくらは横と縦でこれだけ違った感覚を持つようになっているが、英語だったら全部横なのにね。不思議だなぁ。

石村さん、本の完成おめでとうございます。