野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ホエールトーン・オペラあと2日

ホエールトーン・オペラの世界初演まで、あと2日。山川冬樹さん(ホーメイ、イギル)、名倉亜矢子さん(ルネッサンススタイルの声楽家)が到着。これで、キャロルと合わせた3人のヴォーカルが勢ぞろい。この3人がそろった状態で、第1幕をかなり丁寧に稽古しました。この3人ヴォーカルバンドになって、音楽が圧倒的に面白くなってきました。3人のスタイルがあまりに違うので、本当にスゴイです。名倉さんは、ゴシックハープを持って来てくれました。「何か使えるかも、と思って」とのこと。

それから、キャロルが英語でMCをして、それを名倉さんが日本語で言うのですが、キャロルのすごく感情を込めた説明の後に、名倉さんが全然違ったテンションで日本語で言うのがすごく面白いです。ちなみに、4幕では、梅津さんが英語で言って、デニスが日本語で言う、というのを予定していて、1幕では、イギリス人が英語で日本人が日本語を喋るのに、4幕ではイギリス人が日本語で、日本人が英語というのを考えています。

とにかく、1幕は、かなりいいバンドです。当日入りの梅津さんのために、練習を録音してMDで郵送することにしました。聴く時間が万一とれたら、と思い。

えずこホールは、大ホールと平土間ホールにたくさんの羊や動物がセッティングされていますが、それだけではなく、通路やら、中庭やら、ありとあらゆるところに、どんどん井上信太くんの平面作品が出没して、ホール全体が展覧会状態になっています。場のテンションがどんどん上っていきます。信太くんのテンションもどんどん上っていきます。照明・音響スタッフも頑張ってくれていて、かっこよくなって来ています。空中にぶら下がった数々の動物たち。皆さん、是非これを体験しに来て下さい。

3幕は、有馬さんは、バネの音をエフェクターを通して加工しているのですが、さらにバネにグラインダーを当てる凄いノイズ演奏もあります。3幕は様々なソロです。菊地さんもこれに刺激されてか、箏の柱も全部取り払って、柱なしでの演奏をしようと提案してきました。これが、またまた面白い。羊に囲まれたステージにいると、どんどんクリエイティビティが刺激されて、表現がどんどんエスカレートしていきそうです。第3幕でのソロ合戦は、それぞれが相当個性的なソロを展開してくれることでしょう。それを、名倉さんがミサ曲の間に入るグレゴリオ聖歌のように紡いでいきます。

4幕は、ワークショップのメンバーとやる部分もあるので、あっさり目のリハーサルでした。そして、大ホールに楽器をセッティング。

ホテルに戻った後は、井上信太くんの部屋で、しばらく語り合った。いよいよ明日は、本番前日です。

皆さん、4月23日は、えずこホールに来ましょう!