野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

それぞれのオハイエ

オハイエくまもと15周年記念コンサート(11月17日@熊本県立劇場)に向けての新曲の作曲作業、少しずつ進めていたが、今日かなり作業を進めて、ひとまず譜面完了(今後のワークショップの中で微修正は加えていくが)。全体のタイトルを《それぞれのオハイエ》として5曲で構成することにした。

 

1. オハイエ聖歌 (アカペラ)

2. ウクレレ優しく歩く (鍵盤を中心としたメロディー楽器+弦楽)

3. ぷっぷっぷー (音遊び)

4. なわとびーと (打楽器アンサンブル+なわとび)

5. なんでも好き! (全員による大アンサンブル)

 

「それぞれの」とした意味は、オハイエ音楽隊は50名近くの人数がステージにあがるので、下手すると「みんな」、「元気」というような単純なストーリーに回収されてしまう危険性があると考え、できるだけ「各自」の個性が浮き彫りになるように構成することを心がけた。1曲目の《オハイエ聖歌》は4パートの合唱だが、演者がそれぞれのパートの枠組みから逸脱することで、より複雑な合唱になることを推奨する。2曲目の《ウクレレ優しく歩く》は、鍵盤楽器を中心にシンプルなメロディーをゆっくり静かに奏でる曲に、熊本交響楽団有志による弦楽アンサンブルが彩りを与える。3曲目は、自由な音遊びで楽譜はなし。4曲目《なわとびーと》は4群の打楽器となわとびのためのアンサンブルで譜面で確定されている部分以外に、自由に演奏する部分がある。5曲目《なんでも好き!》は、全員によるアンサンブルでありエネルギッシュなテーマと、各自がソリストになるソロを際立たせる場面が交互するフィナーレ。

 

 
実は、「それぞれの」という言葉は、『オハイエ音楽隊』のパフォーマーたちのことだけでなく、10名ほどの音楽指導者の先生方のことも示している。スコアを書くことで、先生方がそれぞれの個性でパフォーマーたちに楽曲を教えていく(さらには勝手にアレンジしたりする)プロセスもイメージしながら作曲。楽しみです。(同じ日に熊本県立劇場藤原道山くんも演奏しているようだけど、何かで絡めないかなぁ。。。。)

 

ohaie-kumamoto.org