野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

対談から作文する

一昨日の幸弘さんとのトークの録音を、書き起こす。1時間以上録音を回していたが、最初の数分だけを書き起こす。それは、単なる導入の部分に過ぎない話だ。最初は、この部分は書き起こさずに、捨ててしまおうと思っていた。

でも、敢えて、書き起こしてみる。すると、自分の発言を微妙に書き変えたり、補足で書き足したりしたくなる。そこで、書き加える。それを幸弘さんに送る。

幸弘さんから、メールが返ってくる。幸弘さんが、さらに書き加えた対談になっている。幸弘さんの書き加えた内容に、ぼくが反応していないのは不自然なので、さらに、ぼくの項目を書き加えて送り返す。

これは面白い作文の方法だ。最初は、二人の単なる雑談。いわば即興のトーク。それは、その場限りで捨てられる。ところが、これを書き起こし手を加えてくると、そこから、どんどん本質的なことが浮かび上がってくる。

これは、即興演奏から作曲していくようなやり方に近い。作曲家の誰かと即興演奏をして、それを録音して、それを書き起こして、交代で加筆修正を加えていくと、どんな曲ができていくだろう?